17人目 上田 智雄さん:いっしょに株式会社(&上田智雄税理士事務所)
会社名:いっしょに株式会社(&上田智雄税理士事務所)
URL:http://ameblo.jp/uedatomoo/
公開日:2010年03月09日
今回の旅は、いっしょに株式会社の上田智雄さんです!
29歳の時は何をしていましたか?
29歳の誕生日に会計事務所に転職をしたんです。
初めての業界だったので、29歳の時は事務の女の子の下で仕事をしていました。
それまでは、営業の仕事をしていたんですよ。
オフィス家具やパソコン、サーバーとかサーバークライアントのソフト関係とかを中小企業に対して営業として売ってました。
そのほか同じ会社で防衛庁に対して戦闘機の部品とか、営業として色んな部署で色んな物を販売していました。
では、もともと営業出で?
そうそう、営業出なんですよ。7年位やってましたね。
そもそもデスクワークが嫌だったから、とにかく体を動かす仕事をしたいなと思ってて、大学卒業後に入った会社は掃除の会社だったんです。
掃除ですか?
お掃除をするのが仕事の会社だったんです。
そこで一日中朝から草むしりとか床掃除とかしていました。
そこでちゃんとやってたら、別の部署の人が
「若いのにいつまでもそんなことやっちゃいけないだろ」
って営業の仕事に引っ張ってくれたんです。
それからは色んな物を売ったんですが、段々仕事が高度になって、アメリカと電話したりして戦闘機の部品を売る仕事になれたんですね。
そんな仕事をやっていたんですが、会社の組織が、天下りじゃないけれど、上でリストラになった人が下に降りてきてくる。
ってことは、自分がこれからなんか頑張るとしても、上からどんどん人が降ってくるので、下から頑張っても上に行けることはないんですよね。
その限界を感じたし、自分自身も元々、起業してやりたいなって気はあったんで。
起業しようと思われていたんですか?
思いはありました。ラーメン屋とか寿司屋とかそういうのでもよかった。
でも現実は厳しいし、その中でやっていける自信がなかった。
そのモヤモヤした気持ちの中でその会社に入って、このままじゃ上にも行けないし、なんとかしなきゃいけないなってことで、まずは色んな勉強をしたんですね。
通関士の勉強をしたり、宅建の勉強したり、情報処理の勉強したり、カラーコーディネーター、インテリアコーディネーターとかやったんですけど、全部落ちちゃって。
もうやっぱり駄目なのかなって思ったところで、たまたま簿記の勉強をしたらそれが上手く勉強できて。
そんな中で簿記の先にある税理士って仕事だったら独立できるかなと。
営業の仕事の究極は、お客さんの問題解決だと思うんです。
そこで税理士の仕事ならお客さんに対して色々と相談にのって問題解決することができる気がしたんです。
税理士の仕事なら自分の先が見えるんじゃないか、独立出来るんじゃないか、独立できなくても経営者のNo2になれるんじゃないか、と思って
25歳から始めたんです、税理士の勉強を。
それからは働きながら勉強の日々でした。
ほとんど遊ばずに昼間働いて夜は勉強。
色々と遊びたい時期だったんですが、すべて切り捨てて、自分はこっちで行こうと。
まぁ25歳まで結構遊んでたからまぁいいかなと思って、それからは、仕事と勉強だけの毎日。
多い年は年間2,000時間くらい勉強したりしていました。
2,000時間?1日で言うとどれ位ですか?
1日で言うとね、平均7時間位。
仕事しながらですよね?
そう、仕事しながら。
朝会社に行って、始まる前の一時間半と昼休みをちょっと使ったりとか、営業の移動時間とか。
週末は朝から晩まで勉強。
ゴールデンウィークとか正月休みとか長期の連休の時は、自分でウィークリーマンションを借りて勉強して。
そんな生活を25歳から3年位やったときに、何か自信が生まれてきて、ちょうど29歳の時に会計事務所に転職しました。
すんなり入れたんですか?
すんなり入れたんです。
普通に考えて無理なんですけどね。29歳位から未経験者って。
無理だというのが一般的なんだけど、ちょうど、そこの先生がちょっと変わった人で、会計っぽくない人なんですよ。
そんなところだったんで、たまたま採用してくれました。
そこに5年位いたかな。
あまり公に言えないですけど、その先生は多くの修羅場をくぐって生きるか死ぬかの状況でやってきた人なので、腹が座っている。
物事の本質をとらえるのがうまい。
そして人間味があって自分が今でも一番尊敬しているのはその人ですね。
自分の中で求めている税理士の像でもあるし、多くをその先生から学べたかな。
税理士さんは、堅くて机だけでやってるイメージがあったので、人間味とかってあまり気にされないのかなって思ってました。
ほんとにその先生はすごいですね、兄貴分っていうか親分肌。
~ブログに書けない過激な行動のため、インタビューカット~
過激!
過激なんですよね。で、税務署からあまりに理不尽な欲求があったりすると、、、
~ブログに書けない過激な行動のため、インタビューカット~
過激なんだけど、法律の枠にこだわらない正義感を持ってる人なんです。
人間味がありますよね。
そうそう。そこで丸5年かな、修行しました。
では34歳の時に独立と?
そうですね。34歳のときに、今しかないかな!?と思って独立したんです。
きっかけみたいな後押しみたいなものはあったんですか?
結婚して、子供出来ちゃうとハードル上がるし、その前がいいかな。。。と色々考えましたが、後はもう勢いで(笑)
税理士さんっていう職業柄、すごく堅いイメージはありますけど、ほかの税理士さんと違うなっていう自覚はあります?
そうですね。多くの税理士さんが知性派だと思いますが、僕はそうでもないかな(笑)
実際の現場での会話だと、会計税務の分野は全体の2~3割なんです。
それ以外は、売上を上げたいとか、家族の悩みだとか、従業員のことだとか。
違うことが7割。
税理士特有のサービスって、記帳するとか、監査するとか、そういった部分なんだろうけど、それ以外のところも自分が提供するサービスなのかなぁと思う。
元々起業される時に、理念や目標は作られてたんですか?
特に明文化していないですが、「人と人との関係を大事にする」っていうのが一つあります。
売上が上がっても心が貧しいと、人生に悩むと思うんです。
人との関係を大事にして信頼されることが自分の理念だと思ってます。
ちょっと話は前後してしまうんですけども、29歳から30歳に切り替わるお誕生日って何か思い出ってあります?
30歳のお誕生日はブルーでしたね。
青春が終わるっていう悲しさ。。。
若さとか勢いっていうのが、失われるんじゃないかっていうような恐怖感がありましたよ。
これから老いていく一方のような。
誕生日の時は何かされてたんですか?
特に何もやってないですね。
税理士受験生だったので淡々と勉強ばかり、そんな感じです。
先が長い目標の中で動いている時だったから、それに対しての焦り。
その時、税理士試験もまだまだあと3科目合格しなくてはいけなかったんです。
あの5科目で合格なんですけど、2科目しかまだ受かってない段階だったんで、それに対しての焦りはありましたね。
自分はまだまだ半人前。表舞台、土俵に立ててない状況だったんで、とにかく焦りばかりですよね。
「こんなんで30歳を迎えていいんだろうか」とか。
意外です。
やっぱり自分自身このまま行った先、上手くいくかどうかっていうのが、分からないものに対して投資してるんで、仕事もある程度に抑えて、友達との遊びとかも切り捨てているにも拘らず、この先、自分がどう展開出来るか。
その段階じゃ全然分かんないし、恐怖感というか孤独感。
それが常にあったかな。
20代の頃分岐点となる経験だったり、ちょっと失敗したなとかそういった経験、思い出って何かありますか?
失敗というか、考え方が常に後ろ向きな時期があった時かな。
とにかく目先にあることを一生懸命出来ない時期というか、自分がこの道でいいかっていう迷ってる時が一番失敗だったかなぁ。
どのくらいの期間迷われました?
10代後半から、25歳位まで何も見えなかったな。
何か目標を持って頑張りたいと思いながら、何に向かって頑張れば良いのかわかからないというか・・・
悶々とした時期の苦しさがずっとありました。
逆に成功したというかこれ上手くいったなっていう、自信になった経験ってありますか?
25歳で税理士になろうと思って始めた1年目は、箸にも棒にもひっかからずに終了。
2年目もかなり善戦したものの不合格。
いつもならここで諦めているところでしたが、ここでグツとこらえて続けることで3年目からコンスタントに合格が稼げるようになりました。
ここでの踏ん張りが一番の自信になりましたね。
カラーコーディネーターとか、色々と勉強されてきた中で、何故、税理士が一番すんなり入ったのかなっていう素朴な疑問があるんですけど。数学とか得意だったんですか?
算数や数学得意じゃなかったです。
大学時代にも簿記の勉強をしたことがあったんですけど、駄目だったんですよ。
でも実社会に出て必要だと思って始めた勉強はちょっと違うんですよね。
簿記をやることで会社のお金の流れがわかるようになりましたし、面白いから得意になりました。
税理士さんという顔以外に代表取締役として社長をされている「いっしょに株式会社」
これどういう会社なんですか?
これはコンサルの会社ですね。
税理士業務って独占的に税金の相談に乗ることができる仕事です。
この相談に乗っているうちに色々なコンサル業務が発生するんです。
お客さんの資金繰り、銀行対策、リスクを軽減するための保険の提案だったりとか、
そういう部分のコンサルをやったりするのがこの会社ですね。
税務の相談以外のことはこの会社でやっています。
このネーミング(いっしょに株式会社)を決められた何か理由は?
最初は株式会社ライジンングパートナーズとい社名だったんです。
でもイマイチ評判がよろしくない。
僕の第一印象って冷たいとか、無表情とか言われることが多かったんです。
実際は人を大事にする人柄なのに、、、
マイナスを浮き彫りにするだけじゃないのかと言われたんです。
そこで、もっと柔らかいものがいいんじゃないかと、さらにひらがなの方がいいんじゃないかなって。
それと言葉の違和感。
前株の「株式会社いっしょに」よりも、後ろ株の「いっしょに株式会社」のほうが違和感が記憶に残ってくれるかなぁと(笑)
自分自身まだまだ若いし、これからいろんなことに挑戦していかないといけない。
そしてお客様と一緒に成長していくっていうのが自分自身のスタイルなんで、そういう意味で「いっしょに株式会社」にしたんです。
20代のころにいろいろ勉強されたと思うんですけど、参考になった本だったりは?
メンタル面でいうと、ナポレオンヒルの「思考は現実化する」ですね。
すぐあきらめる性格で、
「あ、俺もう駄目だ」
ということを自分自身に言ってしまう性格だったんです。
何とかこれを変えようと思っていたところでたまたま出会ったのがこの本なんです。
その中で、「失敗と挫折の中には成功の種子が入っている」
っていう言葉があったんです。
いつも失敗する度に「俺はダメな男なんだ」「やっぱ無理だったんだ」思ってしまったのが、失敗は次のステップのための糧だと認識することができて、色々なことが好転するようになりました。
何歳位の時に読まれた本なんですか?
25歳位です。ちょうど転機の時。
これがきっかけで、自分の方向性が見えてきました。
それを読んでなかったら税理士さんも諦めてたかも?
おそらくあきらめてましたね(笑)
なにやってたでしょうね。
どんどん楽で低いほうに流される性格だから、悲惨な生活を送っていたでしょうね。
今、早朝の異業種交流会や積極的にイベント等もやられてますが楽な方に流れるからこそ意識的に?
そうですね。
ほっとくと自分の生活も乱れるので早起きするようにしてます。
あと今後の自分の可能性を広げるためにも人間関係は広げておきたいですね。
10~20年後を見据えて信頼できる人間関係をたくさん構築したいです。
20代で悩んでて税理士だったりいろんな資格を取ろうと思ってる方も多分いると思います。そういった方になにかアドバイス的なものがあれば。
最初のうちは周りも応援してくれると思います。
でも資格を取得しようとする期間は勉強に没頭する必要があって、家族、友人、恋人と過ごす時間もなくなって、徐々に誰からも相手にされなくなります。
ここからが本当の戦いだと思います。
一人だと孤独・不安で仕方なくなりますが、それでも突き進んだ人に合格通知が届きます。
超える?
超える。超えないと多分、何も得られないと思います。
超えるまでって結構しんどいと思うけど。
ある程度超えるまで、孤独感や寂しさの中、結構それが一番の敵。
なので、とにかくブレずにまず、やっていくこと。
10代、20代の頃は何も考えていなかったとのことでしたが、夢とかも?
このままいけば上手くいくんだろうなと思い、あまり考えてなかったです。
でも現実って何も考えないとどんどん下降方面に向かっていくんですよね。
改めて、やっぱ夢は持たないといけないですよね。
本当に夢がなかったんですね。
うん。夢がなかったっていうのがホント問題ですよね。
10代の頃、ほんと遊びまくってて目先の今が楽しければいいっていう時代。
夢とか将来のことなんて考えるなんてカッコ悪いと思ってました。
今、夢を持ってない人の気持ちは、理解できますね。
ええ。非常によく分かりますね。
20代や、10代でもそうなんですけど、ちょっと元気のなかったり、社会に対して夢を持てないような若い人たちに何か、勇気が出るようなアドバイス的なものがあれば。
僕もほんとに、夢がなかった。
夢がなくて、ワクワクしない。退屈。
そんな感じだったんだけど、松井秀喜がちょうど僕と同い年だったんです。
巨人ファンだったんで、松井秀喜が巨人で活躍してホームラン打ったときのガッツポーズ出してる時に、「あぁ。俺。あのガッツポーズずいぶん出してねぇなぁ」
と思って、、、。
「ガッツポーズ出すような人生を送んなきゃいけねぇな」
って思いながらも、どういうことをすればいいか、どうやったらガッツポーズ出せる生活ができるんだろう?っていう変な悩みも持っていました。
自分の状況を変える乗り越えなきゃいけない壁がたくさんあるんだろうけど、どの壁を乗り越えればよいのかわからないし、失敗するのも嫌だったし。
だから、まぁ、まずはナポレオンヒルを読もう!(笑)
たぶん何かを得たいって時には、自分の考え方そのものを変える必要があるので、この本にはヒントが描かれています。
松井秀喜がいい影響を、同い年でっていうのがあったんですね。
ええ、松井秀樹。影響ありましたよ。
ナポレオンヒルの言葉。
今でも意識されているんですか?
今はあまり意識していないかもしれませんね。
でも考え方を変えるきっかけをくれたこの本には感謝しています。
ちなみに、携帯のメールアドレスには、まだナポレオンヒルの名前を載せてますけどね。
今日はお時間ありがとうございました!