8人目 李 小牧さん:日向中国際企画株式会社

李 小牧さん
会社名 日向中国際企画株式会社
URL http://www.leexiaomu.com/
公開日 2010年01月20日

今回の旅は日向中国際企画株式会社の李小牧(リー・シャム)さんです!
李さんの20代、そして29才の頃のお話を聞かせて頂ければと思います。
宜しくお願いします。

自分が日本に来たのが28才。
28歳~29歳の間は日本語学校、純粋な学生でしたね。
29歳の時は東京モード学園。ファッションの学校に入学。

ファッション?

はい、で29歳から33歳まで学生でした。
社長じゃなかったんだよ。残念(笑)

いえいえ(笑)

13才からバレエダンサーとして、楽団に入ったの。国からお金もらって踊ってたわけ。
そこで、9年間踊って、そして6年間貿易をやってました。
貿易をやりながら、外国へ留学しに来る学生の斡旋、仲介の会社を作って、会社の人と一緒に組んで、オーストラリアに送ったりニューヨークに送ったり。
まぁ仕事の経歴としては13年間ずっとお金貰ってた、29才まではね。

13才の時にバレエダンサーということで、当時からギャラを貰って?

勿論。ギャラじゃなくて給料です。国営だから。
オーディションで何万人の中から選ばれたんです。
こういうところって皆行きたいじゃない。やっぱ親としては。
ただ、子供の自分は訳がわからない。
何でこんなトコにいるの?って思ったけど(笑)
給料としてお金貰える、その意味が13歳の自分としてはわからなかった。
あと、きれいなお姉ちゃんに会えると思ってた。
でも結局入ったら全然違う(笑)
毎日朝5時から起きて、練習。訓練。
「痛い痛い」って随分泣いた。

日本に来ようと思ったきっかけって何かあったんですか?
やっぱりスケベも出来るし、ファッションもいいし、裕福な生活もしてる。
そういうところでやっぱ人間として目指したいじゃない。
だから外国に行って、第一は出稼ぎ。出稼ぎね。儲かるから。
あと先進国が見えるから。よく見えるからね。もう夢、夢みたいだよ。
日本語わかんなくても行っちゃう。

すごいですね。

自分が唯一自慢出来ることは、どこ行っても、喋れなくても、わからなくても生きていける自信がある。
13才から大人と一緒に生活してるから。
広東省行ったら広東語ですよ。北京語通じないから、当時は。
今は通じるけど。広東語喋れないと、もう外国みたいなトコに行ってるんですよ。
そこでも6年間、訓練できたし。
だから親と離れてて、自立性があるから日本行ってもまぁ大丈夫だと。
漢字も一緒だし、お米も食べれるし。
喋れなくても漢字見たらわかると思ってたから。
それで来たわけ。

20代の頃。社長になろうとか。夢はあったんですか?

いや、もちろんお金持ちな人に生まれたかった。たぶん誰でもそういう夢があったと思う。
社長になれるかとか考えてない。
自分が会社作ったりとか、独立したいとか、何が出来るかわからない。
夢いっぱいあり過ぎた。だから私は結局夢がないよ。
よくインタビューで夢は何って?聞かれるんだけど、
ない。夢が言えない。
見えない。わかんないじゃない。
今日出来たことは一年前、十年前考えたことかもしれない。
今日成功したことは、昨日考えたかもしれないし。
日本に来たらよく聞くんですよね。日本人がね。
よく「夢はなんですか?」って。

はい。たしかに。まさに自分も今聞いてますし。

中国ではそういう言い方もない。

そうなんですか?

言えない。「夢」の言葉がない。
中国だと、ただ「将来なにがやりたい?」
それだけです。
全然感覚が違う。

面白い。そうなんだ。
では将来「金持ちになりたい」っていう気持ちとかは?

うん、金持ちになりたい。
ただ、中国では早くから仕事が出来て給料貰って、普通の一般の人と比べたらお金持ちでした。
全然お金持ち。
お金持ちっていうのは、全然お金が使える、ある、自分で使うお金が。という意味で。
普通の同年代で13才から誰が給料貰える?
もらえないでしょ?

たしかに。日本であればまだ子供扱いでお給料貰うなんて発想無いでしょうから。
18元ですよ。当時は。大きいんですよ。
家にお金を入れたりとかは?
いやぁ、しないしない。
全部自分で使う。使っちゃう(笑)

へぇ。贅沢な13才ですね(笑)

ただ儲かったお金で、カラーテレビ買ってあげたりはした。
ただ、お金は送らない。
日本に来た時は少しお金出してあげたりはした。
安いマンション、当時安いから。
半分くらい出しあげたり。
あとは、電話一個。
当時10万円かかるからね。
それを渡してあげたりはしたけど。それ以外は全然。

中国の人って、若い時は、親に要求されたり、親に仕送りするために、っていう人が多いのかなって。

いや、私は末っ子だから。
親は皆お金あるから。
私のお金は期待してない。
ただ、自分がやりたいことをやる。

自立されてたんですね。

うん、自立。
だからそういう意味では私は他の4人兄弟よりは全然偉い。
決定権がある。
親が亡くなった時、そのお金とか財産をどういう風に分担するかなど。
まぁあんまり財産ないけど。

学生の頃に、「歌舞伎町案内人」という職業を思いついて、歌舞伎町をウロウロしてたんですか?

日本に来て一週間後、ラブホテルでバイトやってた。時給600円。
二ヶ月間。掃除とか。
でその後、料理屋とか色々やって、半年後にチラシ配り、一時間1000円で。
そして一ヵ月後に自分で独立して、案内人の仕事をした。
結局日本に来て七ヶ月目で、案内人の仕事。
外国人向けの通訳とか。色んな風俗店に連れて行って、バックチャージを貰う。
そこで翌年の東京モードの学費は稼いだわけよ。
学費、一年間120万。
さらに画材とかミシンとか全部自分で買わなくちゃいけなかったから。

新宿案内人をやろうと思ったきっかけってあったんですか?

簡単!
私チラシ配ってたでしょ。お客さん外国人でね。
そして香港人・台湾人多かったから、自分、広東語喋れる。
で、街歩いたら皆喋ってるわけよ。
自分の喋れる言葉の人だから、声かけていく。
「どこにある?」と質問されて、指差したらチップくれるわけ。1000円。
チラシは配ってても一時間1000円だから。ね?
また、お店にいっぱい連れて行けば、バックチャージ貰える。少しね。
その方が全然いいから。稼げる。そこで独立した。

なるほど。

外国人向けの仕事、私発明した。
歌舞伎町で。22年前。

周りは誰もやってなかったんですか?

誰も外国人やってない。
外国人向けはしない。
お店の玄関に行ったら
「No,Only Japanese.」
って言われる。

だからこそ、外国人相手に、通訳と紹介をしてあげてたんですね。

そう。あとシステムを説明したり。そこから始まった。

李さんが連れてっていけばOKだったんですか?

そうです。私、毎日ここ(歌舞伎町)にいるでしょ。
何か問題あった時は、呼び出してくれる。
また解決、説明して通訳してあげて。
また行く前に説明してあげて。
だから安心出来るわけ。お店側としては。
だから私の顔だったら大丈夫。
別に書面的の契約じゃなく、口契約で。
良心的に理解、安心できる。安心・安全、それ大事だよね。

その頃はどれくらい稼いでたんですか?

最初は一ヶ月10万くらい。
2.3ヶ月に経ってから一ヶ月80万くらいになった。あとは100万とか。

当時、中国の人が日本に遊びに来るのって結構大変だったのでは?

そう。だから台湾、香港が多かった。お金持ちの。
中国人いない。全然。

では、今の仕事はどういったことを?

一言で言えばどういうことやってるんだろ?
お店の経営もやってるでしょ。本も書いてるでしょ。連載もやってるでしょ。
今は誌面ではやってないけどWEB上のNewsweek japan。
あと、日中関係。
例えば青森市と江南市の友好都市、交流のために仕事をしてる。
あと、自分のお店、江南菜館の野菜を農園で育ててる。千葉で。

なぜ農園を?

中国には農薬問題がある。
そして、生産にも時間かかるし、水も無いし、高い。
だからMade in Japan。
中国のおいしい野菜をMade in Japanでやりたかった。

では、20代の頃、「一番上手くいったなぁ」とか「成功したなぁ」という経験はありますか?

色んな人と会ってきたこと。
仕事はね、「物」に対して仕事をやってるわけじゃないの。
人間と人間ですから。
人間が人間とコミュニケーションを上手く取れればいい仕事が出来るし、上司だろうが部下だろうが同僚だろうが。
皆お互いに人間関係をよく作ればいい仕事が出来る。相手がビジネスの敵だろうと。

敵でも?

うん。だからそういう人間関係のコミュニケーションを取る経験が一番大事。

逆に失敗した経験は?

もちろんいっぱいあるよ。山ほど。あり過ぎ。
でもそれがないと、上手くならない。
嘘は言っちゃ駄目ってことがよくわかった。

つまり、昔は嘘とか?

若い時は誰でも嘘多いわけよ。
格好良く作るためには。見せるためには。嘘が多いわけ。

それはよくないなって気づいたんですね。

うん、よくない。
嘘を続けても意味無い。
これがもし、成功と言えば、成功の秘訣。信頼が大事。
何やったっていいよ。
風俗だろうが、一流会社の部長やってようが、社長だろうが。関係ない。
職業は関係ない。
信頼関係が大事。嘘は駄目。
だから私は警察官もヤクザもマフィアも風俗嬢もみんなお友達出来る。ホームレスまでも。
人種は関係ない。

今後の想いだとか、今後はこういう事をしていきたいとかってあります?

お金持ちにはなりたい。

まだまだ?(笑)

まだまだ足りない。1000万稼いだら一億欲しい。一億稼いだら二億欲しい。
だから自分の自分に対しての満足感はないです。
ここまでやって満足したから、もう頑張らない。とかない。
ただ、ある程度生活できれば満足出来る。
私はそんな贅沢な人間じゃないから。
昔、東京モード学園にいたから、ブランドはよくわかる。
自分に合うものが一番いい。
これが私の「ブランド」です。というものを。
自分が自分の「ブランド」を作ればいいじゃない。

以前はブランドのスーツとかよく着てたんですか?

そう、グッチのスーツとかアルマーニとか良く使ってたよ。
勿論ブランドは買ってもいいんだけど、別にそんな大金使わなくていいの。
ブランドにお金を使うんじゃなく、一番やりたいことにお金を使えば良い。
ちなみに、私、借金だらけ。
スポンサーも倒産しちゃって、3000万の借金ですよ。

そうなのですか?

でもやりたいことやったから。
あとは、借金が無くなるように頑張る。毎日お店に顔を出す。
ほとんどお店がオープンから閉まるまで。ずっといますよ。
居ない時無い。
ただ、中国出張しに行ったらしょうがない。日本にいたら必ず顔を出す。
今日も3時間しか寝ていないよ。
常に寝ていない。

普段、食事や運動に気をつかったりは?

私、仕事が運動ですから。
スポーツジムは一時行った事があるんですけど、意味が無い。
好きなことを生活でやった方が全然、健康的。
食事はすっぽんスープ。週3回くらいは飲む。
コラーゲンあるから。
私、49歳過ぎてますけどツヤツヤでしょ?(笑)

たしかに。若いなって思いました。

だから秘訣は自分がやりたいことをやれば、それが一番健康。
お酒、おタバコ、お仕事。全部やめません。
やめない。好きなことは全部やります。
明日、ガンになっちゃうかもしれないけど。今のところは無いからね。
(なぜか話は急に変わり)
今、日系ハーフの子がいる。かわいいよ。
いま93㎝。

では、日本の人達に向けて。また、若い人達に向けて。
元気を与えるために、何かアドバイスだったりとか、言葉があれば

お金にならない仕事でもいいから、やりたいことやった方が良い。
例えば、自分は一流の会社に行った。20,30万貰える。
でもそれはやりたくない仕事。
それじゃ時間の無駄遣い。やめた方がいい。
むしろホームレスになって、多少の生活ができる程度でやりたいことを何とかやればいい。
フリーでもいいから。全然自由。
一流の会社に行って上司、部下、同僚、皆の眼を気にして…。
だから日本人は集団では仕事できるけど、一匹オオカミになったときが大変。
独立性がない。実力性がないわけ。
色んな仕事をやりなさい。会社行って1年でも良いし。運送会社でも何でも良い。
男は力仕事で、女はとりあえず水商売。

水商売ですか?

水商売大事ですよ。
だって、水商売の女性はお客さんがお金を出してくれて、ちゃんと飲ませれば何万のボトル入れる。
いいレストランで同伴できることは大したことですよ。
いっぱい脳を使うわけですよ。
ただ体だけじゃないから。顔だけじゃないから。
私は、この辺り(新宿歌舞伎町)で1週間80万円を売り上げる女の子を知っている。
その子は美人じゃないもん。ただ、可愛い系。
見た目バカみたい。でもしゃべったら頭良いよ。
脳みそセクシーじゃないと駄目ですよ。

脳みそセクシー!?

体だけじゃダメですよ。
脳みそはセクシー。男がどうやっておちるのか。
だから女性は水商売で訓練。男はホストでもいい。
色んなことを知っていた方が財産ですから。仕事で勝つんです。
私は13歳から、バレエダンサー、新聞記者、貿易会社。留学斡旋。
あと工場を中国でやったり。
日本に来て佐川急便、引越し会社。何でもやりました。
ラブホテルでしょ、魚屋でしょ、中華レストランでしょ、案内人でしょ、ティッシュ配りでしょ、レストラン経営するでしょ、なんでもやるんですよ。

その経験ってすごく生きてますよね?

それが大事なの。1~10歳までは人の基本を作る。人間の基本。
10~20歳は体の成長。ただの体の成長。変な事をやったりとか。ある意味では脳の成長でもあるけど。
20~30歳は本当の勉強に入る。
本当の勉強。10~20歳じゃない。
本当の勉強は分かった上で「何で」「これが勉強したい」「これが知りたい」
そういうのは20~30歳。
30~40歳は本当の仕事が何をしたいのかが分かってくる。
20~30歳じゃ分からない。
転職したらゴロゴロゴロゴロ変わる。
これから人生こういうことやっていこうかって30~40歳に決める。
40~50歳までは今までの経験を活かして、これから、ゼロからスタートして頑張っていこう。

若い頃に憧れていた人っていたのですか?

憧れた人ねぇ、あんまりいないんですよ。今でもね、自分が一番大事。
自分で自分を尊敬している。
毛沢東は2番目。3番目はいない。

若い頃に本を読んだりとかは?

勿論。自伝が好きなんですよ。
好きだけど、ここまで出来るとかは考えない。
アメリカのフォードの会社。彼の自伝を読みました。
どういうことが書いてあったか。
「人間は成功するために、3割は実力、7割は交際」
腕は3割だけ。
だから人と人とのコミュニケーション、交流、交際が大切なんです。
だから色んな人と会っていくのが大事。

では最後に。なにかありましたら。

チャンスは誰に対してでも平等。それを掴むか、逃げるか。どっちか。
それは自分が無いと逃げちゃう。
自分が無ければチャンスが目の前に来ているのに見えない。
だから、周りの環境が悪いか良いかは別として自分の中身がどうなっているか。
それが大事。環境が不景気でもチャンスですから。
不景気でも中身が充実していれば50歳でも60歳でもなんでも出来るから!


ありがとうございました!


ママチャリで日本一周している経営者
■Profile:
2007年から毎年分割でママチャリで日本一周を目指す。ほぼ一周を終えつつ、まだまだ走り続ける口実をつくるべく、寄り道企画(四国八十八ヶ所編)を2017年から開始。人に「場を与え、繋げ、拡げる」を基本軸に、法人複数社の経営と一般社団法人1団体の理事として活動中。
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