30人目 森のクマさん:通りすがりの者

会社名:通りすがりの者
URL:http://www.entre.co.jp/
公開日:2010年05月27日


今回の旅は、顔出し・名前だしNGということで、森のクマさん(ニックネーム)です!

今回、顔出し・名前だしNGとのことですが。

昔はちょっと顔出したりなんかしてたけど、今はちょっとね。

出されないんですか?

やっぱり人知れず。
うちの社員も皆そうなんだけど、
生き方みたいなことが肩書きにあって、
皆、役職じゃなくて生き方を大切にしよう!
っていうので、肩書きに生き方をつけているんですよ。
やっぱり若い人たちには生き方を伝えていきたくて。
で、僕の生き方、ポリシーが
「通りすがりのもの」
「通りすがりのもので名を残さない。」
墓石に「通りすがりのもの」って書いてもらうのが目標なので。
坂本龍馬が好きだったから。
坂本龍馬と孟子とピータードラッカーが僕の大好きな3人。
坂本龍馬は残っているけど、僕は名を残さない。みたいなね。
だから偽名で「森のクマさん」って言ってる。

(インタビュー同行者:中村隊長)
龍馬の人生って結局、旅そのものじゃないですか。
で、彼はママチャリで社長。
いつもママチャリで行ってるわけですよ。
で、色んな社長と会っている中でまた社長を紹介されていって。
龍馬って旅をしながら素晴らしい人と出会って変わっていく。
ママチャリ社長も最初あった頃から比べて、
みるみるうちに変わって、
どんどん成長しているのが分かる。
誰に会うかで人生変わるからね。
だから、まず、「夢」と言ったら森のクマさん。
これからインタビューする時も、
森のクマさんの名前を出せば、
水戸黄門の印籠みたいなものだから(笑)

中村隊長に言われれば、なんでもやりますよ。

あの、、、僕、会話に入ってもいいですか?(笑)

僕、大学生の頃、22、23歳の時、
就職をする、しないっていう時に自分の人生を考えたんですね。
その時にお会いした方が森のクマさんの下で修行された方。
その方にお会いしたきっかけで、
森のクマさんの存在を知り、
アントレプレナー、起業家精神というものを勉強したんです。
いつか森のクマさんにもお会いしたいなと思っていた。
だけど、「会いたい会いたい」って言わないようにしていたんです。
自分がいつか会えるぐらいのレベル、話をしてもいい段階になり、
自然と紹介してもらえるぐらいの人間になろう!と思ってたんです。
そしたら、隊長が「森のクマさんを紹介するよ!」って言ってくださって。
すごく嬉しかったんです。

とんでもない。
僕もドリプラとかで、
中村隊長には逆にいっつもお世話になってる。

(インタビュー同行者:中村隊長)
嬉しいな~。俺の事、語ってくれてる(笑)

では、29歳をテーマに聞いているので、質問を。
ずばり29歳の時はどういったことを?

かなりやばい状態でしたね。
世界変えようとしてました。
世界中の起業家を集めた世界大会を、
ちょうど開いた年か、開く準備をしている年。

起業家の世界大会?

20代のときにアメリカによく行って、
そのときに世界大会のイベントの代表、
バーハニッシュっていう男がいて、当時24歳。
最初に行ったとき、僕は25歳だったんだけど、こいつがすごいやつで。
世界中の起業家を集めた大会をアメリカでやってて、
僕も色んな経営者に誘われて、そのイベントに行ったんですね。
その時、彼に初めて会ったとき、
「15分だ、君と会う時間は15分」
それで、僕が質問しようと思ったら、彼から質問がきて、
「森のクマさんは一体世界をどう変えるのか、日本をどう変えるのか?」
って。僕はその時、謙虚なつもりで、
「生きるので精一杯だ、そんな大きなことはまだ言えません」
って言ったら、彼が怒り出しちゃって。
「もう君と話す時間はない」
って言われたの。
俺たち、世界を変える人間達がここに集まっている。
君は日本すら変えられないのか?
日本すら変える意志のない人間がここに来る意味は無い。
で、会談終わりなの。
質問も何も出来なかった。
すっごい悔しくて、
帰りの飛行機の中で、
あいつにできるんだから、俺たちにも出来るんじゃない?
それで、自分達で世界大会をやろう!
ってことになったんです。
でもアポも取れないし、ってことで、
最初、本を出したの。
それは世界中の人たちの取材をして、
月刊誌にするというもの。
取材ってことなら会えるから、
出版社と協力してもらって。
僕が写真撮って、
自分が会ってきた人たちの原稿も全部書いて。
全くその本が売れなくて月刊誌なのに創刊号で廃刊になった。
そして次に思いついたのが、旅行会社と一緒に
「世界中の成功者に会いに行くツアー」
というのを考えて50人で行くの。
アポイントもとりやすいし、
世界中の人たちに50人で会いに行くと誰でも会える。
会えない人はいなかった。
そこで、営業は1人で行くものじゃない、
50人で行くものだとわかった。
自分の力で会おうとしてたから限界があったけど、
仲間と一緒だったら無限になっていく。
仲間がいると無限の力が持てる。
そうして、人脈をどんどん作って、
ちょうど20年ちょっと前にイベント、
世界大会をやるという準備をしていたのが29歳。
350人くらいの経営者が集まってくれて、
海外からは50人くらい招待。
当時の通産省の人たちとか、起業家の仲間とか、
先輩の起業家達が応援をしてくれて、
僕は企画委員長っていう立場で世界大会をやったぐらいの年ですね。

自分の現在(29歳)と比べたら、
遥かにぶっとんだことをされてたんですね。
本当にすごいです。
元々、起業家を目指したきっかけは?

そもそも自分は何のために生まれて、
何のために生きているか分からなくて。
就職活動も何のために就職するかっていうのが分からなくて。
人間は収入を貰うことが人生の目的ではないはずだと。
だったら動物で僕はいいわけで。
それだったらクマがいいので。
何でも良いわけで。
人間として生まれた意味が分からなかったんですよ。
人間として生まれた意味や価値って絶対にあるんだと思って。
でも何かが分からない。
就職して夢を見つけたい、
大企業に勤めて働くことも素晴らしい。
そういう人たちが社会を支えている。
ただ、じゃあ、自分がどう生きるか?
っていうのが分からなくて。
自分の夢が見つからなかった。
結局一回、全てを捨てようと思って、
学歴も何もかも捨てて家も出て、
独りぼっちになった。
4畳半1間で、
一体何のために生まれてきたのか考えようと。
そこで気づいたのは、
収入がないとまず生きていけないっていうこと。
寝てるだけでも家賃が発生することに驚いた。
トイレ行って水流したら金が流れていく音にしか聞こえないんだ。

ジャーって音が、お金の音ですか(笑)

そう。で、アルバイトをしながら
社会と自分との関わりがどんどん絶っていくのが分かるんですよ。
どんどん友達も忙しくなってくるし、
会えなくなってくるし。
そういった中で、
会社っていうものを創れば
社会に自分は繋がっていくと思ったんで
会社を創ったんです。

うまくいったんですか?

あまりうまくいかない。
だからアルバイトしながら社長やってて。
ただ、その頃から、僕自身が悩んだ事。
人が同じことで悩まない社会を創りたいな。
っていう想いがきっかけで、
起業家育成だとか就職予備校だとかを考え出した。
それから、ずっと同じような事をやっているんだけれどね。

では29歳から30歳に切り替わるお誕生日の思い出ありますか?

僕は覚えてないなぁ。

(インタビュー同行者:中村隊長)
俺、覚えてたんですよね。
今の妻とデートしてたんですよ。
付き合う前に。
もう結婚決めてたんですけどね。
すっごい覚えているんですよ。

そうなんですかー!
実はね、30から40の誕生日は結構色々思う事があって。
40歳にして惑わずじゃないんだけど、
40歳になるときに決意をしたことがそこでまたあった。
30歳のときは、
多分どんな夢でも実現する事を確信した頃なので、
ちょうど
世界を変える
って決意をした頃だと思います。

どんな夢でも実現する事を確信した頃と言われましたが、
その確信はなぜ?

世界大会ができたということだね。
だから妄想からスタートするんですよ。
でも妄想をかたちにするまでがすごい楽しい。
「ドリーム・プラン・プレゼンテーション」も
「国際救助隊」もそうなんだけど、
妄想をかたちにしていく過程がすごく楽しい。
妄想がどんどん膨らむんですよ。

「何のためにやるの?」
「世界を変えるためにやります」

「採算性は?」
「後から考えます」

「うまくいかなかったら?」
「ワクワクします」

「うまくいきそうだったら?」
「やらないです」

それは他の人にも出来るから、
それは他の人にやってもらった方が良くて、
誰が見ても、誰が聞いても、

「これ無謀だよ」とか、
「できるわけないよ、でも出来たら良いよね」

出来たら良いけど出来るわけ無い事を僕達はやろうと。
それが僕達の生きている意味であり、使命。
出来そうなことだったら他の人たちに譲る。
出来そうも無いことだったら僕達がまず行って、
そこで見本にならなきゃいけない。
皆が「出来そうだ」っていったらやらない。

なるほど

29歳の頃って、ちょうどそれを迷わなくなった頃。
生き方を迷わなくなったのは26の時。
26歳の時に、こう生きよう!っていうのを全部決めた。
ただ夢が全て叶う。
どんな夢も叶う!って確信できたのは30歳の時です。

今の若い人たち、それこそ僕も含めてなんですけど、
20代って迷いだったりとか、
情報が多すぎるのかなとも思うんですけど。
そう、確信が持てる人ってすごく少ないと思うんですよ。
そこをどうやったら確信が持てるようになるんですか?

一番良いのは人に会うことだと思います。
人生は、人で変わるから。
誰に会って、誰の話し聞いて、誰の本を読むかで全部変わる。
石川遼君とかすごい世界で活躍している人たちって
喋る言葉の内容が80歳のおばあさん、おじいさんのような感じじゃないですか。
何か悟ったようなこと言う。
何でかっていうと、そういうものに触れているんですよね。
一流の人たちに触れている。
一流の考え方を身につけている。
それは年齢に関係ないんですよ。
まず最初に何をしたら良いかといえば、
僕は人に会うことだと思いますよ。

会い方が分からない人も多いと思うんです。
人脈がないと言って、諦めちゃうと思うんです。
そこを諦めないようにするアドバイスはありますか?

一番良いのは、
迷っている事を解決したい!
と思うことですよね。
そしたらまず友達のお父さんから会っていったり、
学校の先生に会いに行ってみたり。
友達でもちょっと変わった奴、就職しないような奴に会って、
何でそんな生き方するんだよ?とか。
すごい人に会えなくても、
気づけることっていっぱいあるわけ。
極端にいうと、道路で寝ている人がいて、
この人なんで寝てるんだろう?
何で寝なきゃいけないんだろう?みたいな。
どうして社会がこの人たちを生み出してしまったんだろう?
逆にこの人たちが正しいんじゃないか?とか。
気づくっていう力を養っていける事が成長だと思うので、
すごい人に会えなかったとしても、
得られるものは誰にだっていっぱいある。
違う人間と会って、
違う人間と話すことで気づく事が出来る。
歴史と他人は変わらないんで、辛いことになるけど、
自分が変わろうとしたら、
極端にいうと、
誰に会っても変われる。
僕はね、
行動する時は馬鹿に。
考える時は緻密になる。

行動する時は馬鹿に。考える時は緻密になる。
なるほど。ついついどちらかに偏ってしまいがちです。
僕は、馬鹿ばっかりですね。。。綿密さが無い。。。

石橋を叩いて叩いて、全力で走るみたいな。
バランスってあると思うんだけど、
今の言葉を知っているか、知っていないか。というだけなんです。
考え方って気づくと人生が変わるので、
そういう考え方に気づくということが一番大事。
そうじゃないと人間は過去の自分の考え方で生きるから、
それを変えられないんですよ。
人と会うと気づくんですよ。
自分と違う生き方をして、考えかたしているから。
そういった意味では、一冊の本を読んで人生変わる人もいるし。
毎日の中でも気づこうと思えばいくらでも気づける。
正解っていうのはないことに気づくって事がすごく大事。
正解が無いことに気づいた時に自分らしくなれる。
みんな、正解があって、学生時代に
「正解は何?正解は何?」って。
でも生きてみると、不測の事態ばっかりで、
どうしたらいいかわからない。
自分の中に軸をつくるしかなくて、
自分はどう生きるかっていうことが大切なこと。
自分は思いやりを大切に生きていこうとか、
自分は挑戦というテーマで人生を生きようとか。
自分の中にそういうものが見えてくる。

なるほど、触れていないからこそ、中々見つからない。
引きこもってしまうと余計見えない。
触れる、出会うってことですね。

そう、出会うのが大事ですよ。
単に思い込まされているんですよ。
成績が良くなければいけない。
人に勝たなきゃいけない。
出来ない人は駄目な人間。
って。人間って自分が思ったとおりになるんですよ。
だからこういうことが通らないと不幸になるとか、
分かってくれる人がいないと何も出来ないとか、
そうやって何も出来ない人間になっていくんですよ。
これただの勘違いなんです。
分かってくれない人が自分を成長させてくれる。
思い通りにならないから学ぶこととしか出来ない。
そう考えたら成長しかしないでしょ。
そういう考え方を知るか知らないかということですよね。
あと今度は知ったら何でもいい、行動してみる、やってみる。
そういう人たちと一緒に何かを体験してみる。
うちの会社は何か?って言ったら、
社員、スタッフ、彼らが体験する舞台なんですよ。
人生をここで体験する舞台がこの会社なんですよ。
どんな体験が出来るかが彼らの人生を変えていくことになる。
僕は舞台を作っていく。
で、なるべく彼らが踊る。
僕は照明を当てる。
それが社長の仕事だと思う。

舞台を提供して照明を当てる。
そう考えると、社長の仕事ってすごく素敵ですよね!

やっぱり人が幸せになるのが会社だと思っているの。
人間が幸せになるために生み出したのが会社だから。
社員が幸せでなければ会社じゃないし。
社員が幸せだからこそ、お客さんにまた幸せが提供できる。
そういう意味では会社もそうだし
僕の役割っていうのは
社員も輝いて、お客さんも輝いて、皆が輝く社会をつくる!ですね。

ありがとうございます。
では一問一答形式で質問です。
今憧れている人っていうのはいらっしゃいますか?

憧れているのはね、中村隊長かな。
29歳の当時は、坂本龍馬かな。

好きな本は?

「竜馬がゆく」

毎日の習慣は?

いっぱい習慣を作った。
これが習慣ですね。
出来ていない習慣もあるんだけど。
目指していることなんで。
五条なんか好きですね、何気なくやらないっていう。

人類のためにやるって、
常にそれを意識して?

全てが人類のため、電話取るのもコピーとるのも。

すごい意識ですよね。

コピーだって1枚とっただけで
その使い方によって人類が変わっていく。

(中村隊長)どんどん変わっていくと思ってやると
作業じゃなくなっちゃうんだよね。
作業になるとつまらなくなっちゃう。
そう思うと楽しくなくなっちゃう。

A4一枚でも変われるんですよね

変われる。変われる。
うちの社員、スタッフも皆、
そんな気持ちでやってくれているよ。
みんなすごい。

なるほど、ありがとうございます。
最後に1枚。色紙を皆さんにお願いしているので、
29歳当時の自分に向けてのメッセージをお願いします。

今日はどうもありがとうございました。