48人目 鬼頭宏昌さん:株式会社スモールビジネス紹介センター

会社名:株式会社スモールビジネス紹介センター
URL:http://ameblo.jp/kitohiromasa/
公開日:2010年08月18日


今回の旅は、株式会社スモールビジネス紹介センター 鬼頭宏昌さんです!

まず始めに、どのような仕事をされているのか
自己紹介を含めよろしくお願いします。

飲食店のフランチャイズチェーンを運営しています。
「焼きとん」の店が約18店舗、「つけ麺」の店が7~8店舗。
それから、とんかつの宅配ビジネスの店が15~16店舗あります。
去年の初めからこのビジネスをスタートさせて、
約1年半が経過したところです。

1年半!それで40店舗以上展開ですか。
そんなに簡単に事業を拡大できるものなんですか?

やってみたらできちゃった(笑)

1年半前まではまではどんなお仕事をされていたんですか?

名古屋で居酒屋チェーンを経営していました。
20店舗あって年商20億円の会社でした。
その会社を32歳のときに売って事業を一旦辞めたんです。

いつごろから居酒屋の業界で起業しようと思ったんですか?

親父が八百屋をやっていたんです。
基本的に家が商売をやっていると就職しようという気が起こらなくて、
大学時代に、何か事業をやろうと決めた。
そこで、マーケットが多くて大手の寡占がゆるい飲食業界が商売し易いと思った。
で、目をつけたのがたまたま居酒屋だったという話。
大学在学中の22歳の時に、居酒屋で修行を始めました。

22歳で居酒屋に飛び込んで、
オーナーになったのはいつ頃だったんですか?

25歳の時。
初めは親父の八百屋の新規事業として居酒屋部門を立ち上げていった。
ただ、25歳の時に会社が赤字になって、
親父に変わって自分が実質的な経営者になった。
経営権が欲しいと思って、
親父や他の株主さんから株をコツコツ買い集めてオーナーに。
経営者になった25歳の時に年商2億だったけど、
32歳で会社を売ったときは年商20億。
実質6年やって、売り抜けて辞めたんです。

V字回復ですよね。
何を改善されたんですか?

人を減らしただけ。
「売上-経費=利益」でしょう。
売上が足りないパターンは売上を上げる。
売上はあるけど経費倒れするパターンは経費を削る。
そうすればすぐに黒字になるから。
うちの会社は後者だったので、人を減らした。
当時は、経費のコントロールをしっかりやっていれば、
1店舗出店するごとに、年商1億上がっていた。
売れる場所を探して、
お金を集めて投資をして、お店を増やすということを、
10回やると10店舗、10億になる。
単純なロジックをやっていただけ。

聞くだけだとすごく単純な話で
簡単そうに思えてしまいますけど。。すごいですよね。
では、今回、29歳がこのインタビューのテーマの一つであるんですけど、
どのような年でしたか?

29歳の時はちょうど年商が10億超えた頃だったと思う。
とにかく慌しかった。
お店を増やそうとしていたのと、
当時は上場させるつもりだったから、
そのためにキャピキャピやっていたね。
自分で会社をやろうと思ったとき、
100億円の会社を作りたかった。
出店を続けていけば、それも可能だった。
でもM&Aが流行ってからさ、醒めちゃったのね。
お金をかき集めて、誰かを引っ張って会社を買っちゃえば
100億の会社を創った話になるわけ。
売上を金で買える様子を見て、
売上を伸ばすこと自体の価値がないと思った。
だから、今は100億の会社を作りたいとは思わない。

現在はどのようなところに価値を見出して経営をされているんですか?

こういう風にしたい、という明確なものはないです。
まず、売り上げは目標にしていないし。
今やることを一生懸命やっていればいいんじゃないんですか。
4年後に40歳になるけど、
何か目標を設定してそこから逆算して
今、何をするか考えたりする感じではない。
一応、今年、年末の時点で70店舗にしようとは思っている。
最終的には、230~250店舗くらい出すつもり。
でも、それをやるために計画を立ててやっているかというと、
ノープラン企業(笑)

10代の頃から明確な夢や目標というのは?

ないって、そんなもん。ない、ない、ない(笑)
あまり気合いを入れると、くたびれて良くないよね。
例えば、上場をしようと夢中に頑張っていた時、もの凄く、くたびれたもんね。
結局、上場できるかどうかは
「来年、30億やります。その次に40億やります」
と言って、それを達成できるかどうかだと思う。
要は公言して
「こいつならやるかもしれない」
と思った人が株を買う。
それをできる人は上場するし、できない人は上場しない。
さっき70店舗したい。と、言ったけど、
出来なかったからといって、別に誰かに迷惑をかけるわけじゃない。
「できなかったね。」
で終わりの話。
ところが、目標を明確にして、
「絶対にやらないといけない」
と思うと、達成出来なかったことを、
「ワーワー」と言いだす。
それで、みんなが苦しくなって終わりってことになりかねない。
だからあんまり目標をがんじがらめに持つといいことないよね。
何のために働いているかわからなくなってしまう。
例えば、上場してがむしゃらに100億円稼いだとしても、
使うあてがなければ、意味がないわけ。
社員も大変になるだけだし。
だから、あまりそういう気合は入れないほうがいいんだよね。

気合いを入れないでうまくいくコツ以外にも、
「こうやったら大体うまくいっちゃうよ!」というアドバイスがあればぜひ聞きたいです。

大体できない人は「ブレーキ」と「アクセル」を一緒に踏んでいるよね。
自分が最初に出した本が、
二代目で年商を20億にして、会社を売却したという内容。
だから、同じく二代目で会社を伸ばしたい人が僕によく会いに来る。
結構、辛そうな顔をしているのね。
なぜなら、「伸ばしたい」と言って来るけど、
その裏側では苦労したくないと思っているわけ。
「借金をしたくない、苦労をしたくない」
その状態が、「アクセル」と「ブレーキ」を踏んでいるわけ。
車も一緒に踏むと動かないでしょう。
「ブレーキ」を外せばいいわけ。嫌なことを辞めるのよ。
事業で苦しいというのは、
人と金のどちらかだからね。
両方辛かったら経営者に向いていないから、辞めたほうがいい。
反対に、両方リスクを取れる、
飲食でいうと渡邉美樹さんのような経営者は、
どんどん企業を大きくすることができる。
でも皆が渡邊さんのようにできるわけではなくて、
人の苦労が苦手で、したくない人は、
人を雇わずに会社を伸ばす方法を考えればいいわけ。
まさに、フランチャイズなんかそうでしょう。
僕はそうして人の苦労から離れることができた。
嫌なことを辞めると、躊躇がなくなって、一気にやる気が出てくる。
自分の性格をよく知って、
「ブレーキ」をかけなくてもいいような事業を選択すればいいんだよ。

なるほど。

では、人の苦労ではなくお金の苦労をしたくない場合はどうしたらいいんですか?
独立したいと言って相談に来るけど、
借金するのを躊躇して結局行動に移せない人が多い。
借金をしたくないなら赤字の店舗を持っている経営者を見つけて、
委託で受けたらいい。
たとえば、「月30万円ずつ払うのでこのお店の運営権を譲っていただきたい」と。
赤字が止まって毎月30万円ずつ入ってくるから、
経営者にとっても悪い話じゃないし、「いいよ」と言うかもしれない。
そこで会社を創って委託として運営を受けちゃえば、
投資ゼロ、借金ゼロで飲食店再生会社が立ち上がるわけでしょう。
本当にやることに価値がある。
結果がどうなろうが価値があると思う。
やらなくちゃしょうがない。
まずはやりましょう!

あえて「ブレーキ」を踏んでいるのに気づかずに進んでいる方もいらっしゃるかもしれないですね。

盲目的になって、嫌なこともやらなければいけないと思っているの。
それに、ビジネスモデルを変える勇気もないわけ。
ちょっと考えたらやらなくて済む方法があるわけよ。
自分の事業の程度を俯瞰できていないのね。

自分の事業を俯瞰するためにはどうすればいいのでしょうか?

どこまで高い視点で物を眺められるかだから
上へ上がるとよく見えるでしょう。
地べたの近い所で物を見ているから俯瞰できない。
視点を上げるためにどうしたらいいかというと、これは難しいね、
僕はある本を読んで、極端に視点が上がった。
そうすると、物事がよく見えるようになるわけ。

その本の名前を是非教えてください!

聞きたいでしょう?
だけど、これは言わないようにしている。
言うと変な奴に思われるので(笑)
僕にとっては素晴らしい本だったけど、
他の人が読んでも同じになるかはわからないからね。

読書以外でも、人と出会うことでも視点が上がると思うのですが、
今までそういった経験はありましたか?

それは重要なことだと思う。
僕にとっては竹田和平さんとの出会いが重要だった。
ファンだったから、手紙を書いて会いに行った。
それから、可愛がられてずっと付き合いは続いているよね。

起業家になりたい、社長になりたいという若い人たちに向けて、
「こういうことをしたらいいよ」
というアドバイスがあればぜひ教えてください。

行動を起こすこと。
相談に来る人はたくさんいるけど、
起業する人は数えるほどしか見たことがない。
大したリスクもないのにさ。
考え始めると堂々巡りだから、
勉強なんてしなくてもいいんだよね。
実践が一番。
自分で経営をしていると学びがあるでしょう。

経営者になられて常に心がけている習慣はありますか?

絶対に8時間寝る。
そうしないともたない。
人間ってね、二種類の脳内物質があるのね。
一つはアドレナリン。
これは身に危険を感じると出るんだよね。
そうすると攻撃性が出るので、
仕事の効率がめちゃめちゃ上がってくるのね。
でも、物事を高い視点で捉えることができなくなるんだよ。
時間軸は短くなるし、視野も狭くなる。
そしてもう一つは、βエンドルフィンという物質。
こいつが出ると物事を俯瞰できるようになるわけ。
そしてこれを分泌させるためには、
寝たり、リラックスすることが重要なの。
サラリーマンはアドレナリンの作用で、
目の前の仕事をしっかりやることも重要だけど、
経営者はその状態になると会社は伸びない。
仕事は片づくけど、それと会社を伸ばすことは全然世界が違うわけ。
だから、寝たり、リラックスすることは心がけている。
結局、世の中のビジネス書はサラリーマンをターゲットにしているわけです。
雇う側からすると、サラリーマンは効率を上げさせなくちゃしょうがないから。
だから、効率を上げる本が多いわけ。
本を買う人間の9割は、サラリーマン。
彼ら目線にしないと本は売れないからね。
だから経営者としては、そういった本を読むだけマイナス。
経営者とサラリーマンがやっている仕事は全然違うからね。
いちいちインスパイアされていたら、その時点で負け組。

僕も今まではいろんな本を読んで勉強をしていたんですけど、
社長業をやり始めて、かなり本を読まなくなりましたね。

それは正解だよね。
著者の中でもすごくいい方もいるけど、
いけてない方もいっぱいいるもんね。
真面目に読んだって大して役に立たない。
本は選んで読まないとね。
たまにいい本があるから、それは読むけどね。
日本って本当のことを言うと叩かれるんだよね。
たとえば、飲酒問題もそうじゃない?
どうってことないと思わない?
でも、そういうことを言うと、
「あいつはけしからん!」
と、もの凄く、いじめられるでしょ。
昔、スケートの織田信成選手が飲酒運転で捕まった報道があって、
「何であんなことが騒ぎになるんだ。
一杯引っかけて原付きに乗って誰に迷惑をかけたの。
しょうもない国になりやがって。」
ということをブログに書いたら、怒ってきた人がいるの。
「福岡でも飲酒運転の車が追突されて子供が亡くなったけど、
遺族に向かって同じことが言えるのか?」
と言ってきた。
その人は、資金調達のコンサルタントをやっていたから、
「お前、借金苦で自殺した人間の遺族の前で資金調達の話をできるのか?」
と聞き返した。
ようするに立場が変われば、どうとも取れる話。
でも、すぐに、もの凄く叩かれるから、みんな本当のことを言わなくなる。
講演会でも、俺が「8時間寝ている。」と言うと、
6時間睡眠でがんばっとる従業員がキレる!とかさ。
そういうしがらみがあるので、だんだん本音を隠すわけ。
だから、本当のことは伝わっていかないよね。

社長業は、反感を買いやすい職業かもしれませんね。

これからますます金持ちがいじめられるよね。
昔と同じように働いても収入は下がる。
こういう風になるとメディアが身近な金持ちいじめをして、
国民のガス抜きをするわけよ。
日本は末期だよね。

~~~同行サポーターからの質問タイム!~~~
なぜ、最近の若い人達は、経営者を目指そうと思ったり、
お金を稼ごう!と思ったりしないのか?
僕自身も含めてなんですけど。

年代が若くなるにつれて物欲が減っているでしょう。
人間の価値観は自発的に生まれるわけではなく、
他人の影響を受けて価値観が形成されていくわけ。
昔の人たちが物欲が高いのは何でかいうと、
「金を稼ぎなさいよ」と刷り込まれていたわけ。
だから、盲目的に従ってその道を歩いたわけじゃない。
そして、現実が追いついたわけよ。
ところが、日本経済が下っていく状態の時にその刷り込みをすると、
現実が追いつかないので、荒れる。
「言われた通りやってきたけど、全然給料が上がらないじゃねぇか!」と。
だから、国を動かしている一部の人たちが、
メディアをつかって国民が物欲を持たないように仕向けていると思う。
「お金より大切なものがあるよね」とね。
「金持ちになりましょう」と言って、
なれなかったら暴動が起きる。
そうなると国として困るわけよ。
だから、僕が思うにスピリチュアルビジネスは絶対伸びる。
現実の生活に、ありもしないストーリーで解釈を与えることで
今の生活レベルが低いことの不満が緩和することができるので。

逆に物欲を持とうと思っている人たちは伸びるチャンスだけど、
浮いちゃうんですね。

いじめられるから海外に行くしかないよね。
優秀な奴から外に逃げていくから、
そうすると国が衰退してくるよね。
でも、盲目的にお金を追いかけても相続税で巻き上げられるだけでしょう。
資本主義ってのはお金を追いかけさせられ続けて、
最後に巻き上げられる(笑)
だから、資本主義か、スピリチュアルか、
どちらの道を選択して生きていくかは、分かれ目だと思う。
どっちに乗っかってもいいんだよ。
自分の意思で選んでいればね。
同じスピリチュアルをやっていても、
ブームに乗っかっている連中と
ちゃんとわかっている上でやっている人は、
やっていることが一緒でも中身は全然違う。

スピリチュアルブームはこれからも伸びる。
そういった先見の明をつけるための訓練はあるんですか?

自分で会社を一生懸命、経営をすると、
いろんなことが見えてくるようになるんだよね。
経験が一番勉強になる。
眺めているだけだと見えないけど、
飛び込むと見えてくる可能性はあるよね。

さっきの飲酒運転の話じゃないですけど、
法律ではダメだと言っているからダメだと思わされているだけで、
本質はそこまで叩かれることなのかなと思うことはたくさんありますよね。

地球温暖化もそうでしょう。
あんなもん、嘘だから。
狙いはなぜかと言うと、
今までお金の価値はゴールドで裏付けられていたのね。
ところがさ、「金」本位制を止めて、
お金の流通量が爆発的に増えちゃったわけ。
紙幣というバーチャルな物の信用を担保する機能を持っていた金の埋蔵量が、
地球上に眠っている金では全然足りないわけ。
代わりに目を付けたものが何かというと、CO2。
地球の資源で、価値が持ちそうで、
しかも量が膨大な物として選ばれたのが、CO2なわけ。
排出権でCO2に値段がついたでしょ。
CO2も地球温暖化も嘘。
CO2に価格をつけるためのカラクリ。
あの温暖化の本、ゴアが出ているけど、
政治家がやっている時点で怪しいじゃん。
たぶん、実態は地球の温度は下がってきていると思うよ。
そういうデータがもう2~3年するとボコボコ出てくると思う。

そうなってくると何に価値を置いたらいいのか、
何を信じたらいいのかわからなくなりますね。

何を信じるかを自分で決めなきゃダメなんだって。
価値観が揺らいで吸い込まれると盲目的に信じちゃうから。
スピリチュアルにハマっている連中はそんな状態なわけよ。
お金も幻だけど、自分の意志で選んでいればOKだと思う。

ありがとうございました!
~~~同行サポーターからの質問タイム終了~~~
最後になりました。
今の若い人に伝えたいことなど何かありますか?

ないよ。そんなのお節介。
頼まれたら言うけど、
聞かれてもいないのに話してもしょうがない。
他人が嫌だったら近寄らなければいい話だし。
それに、他人を変える熱意と時間があるなら、
自分の中身を変えたほうがいいよ。
それを見て感化された人は勝手に変わっていくからさ。

そのとおりですね。
では最後に、当時29歳の自分に向けた言葉を、
ぜひ色紙に書いていただきたいと思っています。

気合いですよ、ビジネスは。

今日はどうも有り難うございました!

>>>鬼頭さんの著書
耳かきエステはなぜ儲かるのか? 成功する「超ニッチビジネス」のカラクリ