54人目 モリタリョウジさん:i&R株式会社COMPANY

会社名:i&R株式会社COMPANY
URL:http://ameblo.jp/ircom/
公開日:2010年09月29日


今回の旅は、i&R株式会社COMPANY モリタリョウジさんです!

まずは、どのようなお仕事をされているのか
自己紹介も含めてお願いします。

事業としては、フォトグラファーの育成、ホテル事業、
ホームページ制作事業、
ポータル事業、これは広告ですね、
それからコンサル業務の5つです。
今年の6月で代表取締役を退き、現在は会長職です。

代表職を辞められたきっかけは何だったんですか?

僕、もともと社長というポジションに違和感があったんですよ。
自分は上に立つよりも、
横でサポートに徹する方が上手くいくな、と思って。

現在はどのような活動を?

いろいろな方のご紹介で、講演させていただいたり。
あとは、
『受講するだけで、日本•世界の為になるセミナー』
というのをやってますね。
受講したら社会貢献になるセミナー
というのを前からつくりたかったんです。

今回のテーマは「29歳」なんですが、
どのような1年だったか覚えていらっしゃいますか?

僕にとっては忘れもしない、すごくテーマのある1年でした。
29歳は、会社のクーデターが起きた年なんです。
仲間から見放されて、ひとりぼっちになった年です。

クーデター!?

僕、スタッフに厳しかったんですよ。
当時の僕の経営スタイルは、
自分が店に来たらスタッフを緊張させなきゃいけない
という考えに基づいていたんです。
今考えたら訳わからんのですけど。
それで、スタッフが
社長である僕についていくのが嫌になって、
オーナーに直談判したんですね。
「僕らをとるか、社長をとるか選んでください。
社長をとるなら全員辞めます」って。

どんなお気持ちでしたか?

もう、今でも二度と経験したくない、
というくらいのショック度合いでしたね。
その日オーナーから電話があって、
「ちょっと俺ん家来てくれや」と。
現場のスタッフと仕事について電話で話しながら
オーナーの家に向かっていたんです。
オーナー宅につくと、
店長とか責任者の車が全部停まってる。
「あれ、さっきまで電話してたのに、おかしいな」
と思って中に入ると、そこに全員そろっているわけです。
で、一人ずつ僕に対しての問題点を発表していく(笑)
当時は、僕、お金の亡者になってたと思うんです。
お金を持っていないと人に認められない、って思っていたから。
僕には学歴というものがないので、
ひとつのステータスとして
「年収何千万」みたいなものが欲しかったんですね。
そのくらいお金を稼いだら、自分が変わると思ってた。
実際はお金を稼いでも何も変わらないんですけど。

ブログなどの肩書きでもある「応援専門家」に切り替わるきっかけは何だったのですか?

クーデターがきっかけやったと思います。
あの時クーデターがなかったら、僕は心のどこかで
「俺はお前らとは違うんだ」
みたいにおごっていたでしょうね。
社長である自分とスタッフは対等じゃない、って
きっとどこかで思っていたと思う。
給料が違うのも当たり前やと思ってたし。
それまでは、スタッフに「仕事をさせないかん」と思ってたんです。
どうやってやる気にさせよう、とか。
でも、その人の立場に立って、同じ目線で応援する。
そういうスタンスに切り替えたら、
ものすごくうまくいったんです。
そこから変わっていきましたね。

29歳でクーデターを経験された後の道って、
僕は二つに別れると思うんです。
不平不満を言いながら進んでいく人と、
経験を糧に、人を応援する側に行ける人。
なぜ、モリタさんは応援する側に行けたんでしょうか?

クーデターが起こる少し前に、
飲み屋さんで出会った友達がいるんです。
クーデターが起きた時はショックで誰にも話せなくて、
ただ、彼にだけ電話をかけたんです。
スタッフたちとの話が終わったのが夜中の2時とかだったんですけど、
電話をしたら
「今から行きます。電話で話すのも何なんで」
って、1時間以上かかるのに来てくれたんですよ。
しかも、彼は次の日仕事で、朝の6時くらいには
起きて行かなきゃいけないのに。
そんな状況にも関わらず来てくれて、
何も言わずに、僕のことを何の否定もせずに
ずっと話を聞いてくれた。
彼の存在がものすごい大きかったですね。
その後、彼は仕事を辞めて、うちの会社に来てくれたんです。
今は5社中3社の社長をやってもらってます。

素晴らしい仲間に恵まれてますね!

あの時、彼が来てくれなかったら、
誰も信用できなくなっていたかもしれませんね。
僕の今のテーマがまさに「仲間づくり」なんです。
たとえば、100人集まって、
1人の人間を99人が成功させようという思いで動いたら
その人を成功させることができると思うんです。
みんながカリスマみたいなものを持っていたら
成功しやすいとは思うんですけど、
そういう人は少ないじゃないですか。
本当に普通の人が成功するためには、
周りを応援していくことだと思う。
そして、自分も応援される人を目指す。
そうやって集まった仲間の方が、楽でいいじゃないですか。
「今日しんどいねん。帰るわ」
って無理せず言える仲間の方が。

わかります!
そういう仲間、人との出会いのために意識的に外に出たりとかしているんですか?

してますね。
昨年出会った本田晃一さんにはいろいろ学ばせてもらいました。
僕は「こーちゃん」って呼んでるんですけど、
こーちゃんは、ゆるいんです(笑)
なんていうか、すっごくナチュラルなんですよ。
それで僕気づいたのが、
「あ、それでええんや」って。
東京に出てきた時、クーデターのこととか昔の仕事とか
いろいろ隠してた時期があったんですよ。
なんかちょっと「エリート」っぽくいったろ。
みたいな。
自分、雑草やのに(笑)
でも、そんなん必要ない、自然体でええんや。
って、こーちゃんに気づかせてもらったんです。
だから僕、今の仲間にはこーちゃんも含めて
過去の経歴とかもぜんぶ話したんです。
それに対して何か問題があれば、ちゃんと言ってもらって
充分凹んだ上でがんばります、って。
そうしたら
「なに言ってんの。大事なのは今のモリタリョウジだ」
「過去はなんであれ、これから先だ」
って言われて。
「今のモリタリョウジは好きよ」
って、言ってもらったら、
僕めっちゃ泣けてきて。
あ、素でいいんだ、
って、思ったらすごく気持ちが楽になった。
それからは誰に対しても素で接するようになりましたね。
どこへ行ってもいつも通り。
だって、普通やったら今日インタビューやのに
ズボンの裾まくったりしないでしょ?(笑)

ははは!(笑)でもすごく共感します。
僕もインタビューの時はラフな格好でお会いするようにしてます。
スーツを着ていった時もあるんですが、
そしたら何故だかすごく緊張しちゃったり。

僕もそうですよ。
だから、ジャケットは着るけどネクタイはしいひん。
っていう、訳のわからんこと決めてたりしますね(笑)

29歳から30歳に切り替わる誕生日の思い出はありますか?

ものすごい盛大な誕生日だったと思います。
友達のお店でみんながお祝いしてくれてね。
哀れみもあったでしょうね。クーデターがあった年ですから(笑)
仲間が毎年いろいろやってくれるんですよ。
去年はこの鞄をプレゼントにもらって。
僕の師匠が山崎拓巳さんという方なんですけど、
拓巳さんがこの鞄を持ってるのを知って
色違いをプレゼントしてくれたんです。

素敵ですね。
30歳になって、何か変わったことなどありましたか?

そうですね、自分の仕事や人に対する目線が変わったと思います。
たとえば、今、浅井さんの目の前にあるコップは、
僕から見たら左側にありますよね。
昔は、みんなに対して
「左側にあるやん」
って、いう考え方だったし、
実際そう言ってたんです。
でも、浅井さんから見たら右側にある、っていうことを
最近ようやくわかってきたんですよ。
今までの僕は、同じように
「そうだね、左側にあるよね」
っていう見方をしてくれる人が周りにいてくれただけなんです。
だから、これからは「右側にある」「真ん中にある」っていう
見方の人のことも認めてかなあかんな、と。
そう思ってから、出会いの幅が増えましたね。

これから起業したいと思っている人や、何かしたいと考えてる若い人に向けて、
「20代のうちにやっておいたほうがいい」というものはありますか?

今になって振り返ると、
お金と時間を何に使っているかだと思うんです。
20代の頃って仕事ばっかり頑張っている時期もあれば、
プライベートばっかり頑張っている時期もある。
その時間を、ちょっとだけでいいので
未来のために使ってほしいと思いますね。
勉強会や講演会に行ってみたり。
そういう小さなことからでいいので、
時間を割いたらいいと思います。
あとは、20代で焦らなくていいと思う。
起業したいと思っているなら
「なぜ起業したいのか」
を考えてみるとか。
自分のやりたいこと、
好きなことがすぐに思いつかない場合は、
周りのがんばっている人、たとえば浅井さんみたいに
自分の目標で何かを伝えようとしている人とか、
そういう人を応援してあげてほしいと思います。
無理に夢を持つ必要はないと思うんですよ。
自分は夢がないからダメだと思わずに、
周りにいる夢を持っている人の片棒をかついでほしいと思いますね。

人を応援することが夢になる。素敵だなと思いますね。

もそう思います。
すごく使われている言葉なんですけど、
「僕でもできる」
ってことが言いたいんです。

僕もよく使ってます(笑)
若い頃って、お金を稼ぐことや格好つけることに目がいきがちだったりするじゃないですか。
僕もそうだったんですが、
そういう経験があった上で今の自分があるので、
否定しなくてもいいと思うんです。
そして、だからこそ「僕でもできる」って伝えたい。
みんなができる可能性があるんだと思いますね。

そうですね。
いやー、同じ想いでうれしいです。
実は今日、もうひとつ伝えたいことがあって。
師匠の拓巳さんに教えていただいたことなんですけど。
「意味づけ」を変えると、
物事に対する目線が変わるんです。
雨が嫌いだとしますよね。
それって、雨粒の一つ一つが嫌いということではないと思うんです。
じゃあ、何が嫌いなのか?
雨が降った結果、靴が濡れることが嫌なのか。
傘を持って出ることが嫌なのか。
その意味を知るべきだし、
意味を知って「雨」に対する意味づけを変えれば、
雨を嫌いじゃなくなるんですよ。
そうやって目線を変えると、
いろいろなことが理解できたり、楽しめたりするんだ、
って、わかったんですね。

~~~同行サポーターからの質問ターイム~~~
これから起業したいとか何か自分でしてみたいと思った時に、
まずどんなことから始めたらいいと思われますか?
または、モリタさんはどうされていたのか教えてください。

もし会社をやりたいというのであれば、
すぐつくってしまったらいいと思うんです。
今はそこまで大きな金額もかからず会社がつくれますから。
何人かで集まって、お金を出し合って「何か」を始める。
「何か」は明確でなくてもいいんです。
僕が最初につくったのは運送会社だったんですけど、
今、なんのカケラもないです(笑)
何かを売ったり提供するだけじゃなくて、
それこそ「応援する」会社だっていいんです。
それに、若い人たちが一生懸命何かをやろうとしてたら
応援してくれる人はたくさんいると思う。
一番大切なのは「想い」ですよね。
だから、途中で内容が変わってもいいからまずはやってみること。

その一歩を踏み出せる人と
そうでない人の違いはどこだと思いますか?

難しいですね。
なんだかんだいって、たとえば僕も浅井さんも
「やってきた人」
に分類されてしまうんでね。
ただ、人って変わる瞬間があると思うんです。
言い方が正しいかわからないですけど、
人間てどうしても出会った瞬間から相手が自分より上なのか、下なのか、
みたいなことを判断していると思うんですね。
それはしょうがないと思うんです。
「自分よりも下、未熟だ」
と思っていた人が
何かに向かってチャレンジしている姿を目の前で見せられた時、
人は変われると思う。
だから、そういう人に会いに行ったり、
がんばっている姿を自分から見に行ったりするのもひとつの手段かもしれないですね。
大事なのは、そこで相手を妬むんじゃなくて、
うらやましい、なんであいつが!
っていう感情の裏の気持ちを理解すること。
これはこーちゃん(本田晃一氏)から教えてもらったことなんです。
「うらやましい」と思うということは、
「そうなりたい」と思っているんですよ。
妬んだらいかん、うらやましいなんて思ったらいかん、
ってその気持ちを消してしまうと、
裏側にあるポジティブな気持ちも消してしまうことになる。
なので、日頃からネガティブな言葉は、
ポジティブな本心に置き換えるようにしています。
「何であいつばっかり上手くいっとんねん」
とか思うことってあるじゃないですか(笑)
でも、よくよく考えると
そんな風になりたいと思ってる、ということなんです。
なんだ、意欲あるやん自分
となるわけです。

~~~同行サポーターからの質問タイム終了~~~
実は、さきほど何気なく言われた「雑草」
という言葉にもすごく共感しました。
自分の中の一つのテーマに「雑草」という言葉があったので。
目立たなくてもいい。
踏まれたって起き上がる。
地味に。地道に。コツコツと。
が、最近口癖だったので(笑)

ヒマワリの種はヒマワリになるし、
バラなんて咲いたらプレゼントになるじゃないですか。
雑草って、下手したら抜かれますよね。
で、下手したら捨てられる(笑)
僕は、やっぱりそこやと思うんです。
学歴というモノサシで見たら、僕なんて超雑草やと思う。
でも、雑草でもできることがたくさんある、
っていうのを経験上言えますね。
お金を稼いだり成功したら幸せになれる
と思ってる人もいると思うんです。
でも、「今」が幸せじゃないと、
お金が入っても幸せにはなれない。
今の自分の心を満たすために何をすべきか
を考えるしかないと思いますね。

最後に、29歳のご自身に向けたメッセージを色紙にお願いします。

「大丈夫だよ」
すごくシンプルですけど。
僕の29歳は本当にどん底やったんでね。
大丈夫、いい仲間に恵まれて、ちゃんとうまくいくよ、と。

本日はどうもありがとうございました!