33人目 平松二三生さん:株式会社アイアイシー

平松 二三生さん
会社名 株式会社アイアイシー
URL http://www.iic-inc.co.jp
公開日 2010年06月08日

今回の旅は、株式会社アイアイシー、他2社の代表、平松 二三生さんです!

まずはじめに、自己紹介をお願いします。

システムを開発するITエンジニアリングの会社と、
セミナー企画・運営の会社。
それにスクールを併設しているアロマサロンを運営する会社。
合計3社を経営しています。

元々、エンジニア、プログラマーだったのですか?

そうですね。19歳のときにIT業界に入って、
28歳で最初の会社を創った。

29歳ではすでに経営者ということですよね。
どのような29歳を過ごされていたんでしょうか?

28歳9カ月ぐらいで会社を創業して、
実際に活動したのが翌年の4月からなんですよ。
ちょうど29歳の時にビジネスを始めたところですね。
当時は単にエンジニアとして働くだけ。
最初にやった仕事は厳しく、
すごく大変なプロジェクトでした。
大変だったんですけど、
僕はその時点でエンジニアとして完成されていたんです。
29歳はエンジニアとしてはかなり成果を出せた1年だったかな。

エンジニアという職種から社長。
もともと昔から起業したいという気持ちはあったんですか?

まったくなかったんですよね。
社長になりたいと思っていなかった。
僕はナンバー2、ナンバー3が一番楽で、
いいなと思っていたんです。
たまたま会社を創ろうかなと思った時に
トップにさせようとした奴に
「一緒にやろうよ」と言ったら、
「いやだ」と断られちゃったので。
「じゃあ、自分でやろうか」
と始めただけ。
自分が社長に向いているとは思っていないし、
トップでやれる人間だと思っていない。

20代の頃の夢は別にあったんですか?

若い頃から思っていたことは、
とにかく早く一人前になりたい。
一人前として働いて稼ぐようになりたい。
と思っていました。

どうして会社を創ろうと思われたのですか?

IT業界のエンジニアというのは、
すごくホスピタリティが低い。
お客さんのことを考えることが全然できていない。
自分自身の理想からかけ離れた人ばかりだった。
だから、育てたいというか、
「自分と同じ考えを持った人間を多く輩出したい」
と思って会社を創った。
それが夢といえば夢ですけど、
そうしないと僕らの仕事が無くなると思ったんです。
独立経営のエンジニアとしてやり続けるためには、
スキルを身につけたり、
お客さんのことを考えたシステムを作るのがすごく重要。
だけど、それを考えているエンジニアが異常に少ない。
死活問題というか、防衛本能からだったので、
夢とかそういうのではないと思うんですけどね。

29歳から30歳の時に切り替わる、
誕生日の思い出は何かありますか?

僕は全くないんですよね。
30歳より、29歳になる時のほうが
「29歳になっちゃうな」
という感じだったんですよ。
「僕にはあと1年しか残されていないんだ」
と。
精神的にきたね。
30歳は割り切っていたというか、
あきらめていた感じだったけど。
30代になる怖さというよりは、
20代にやり残したことないかなという焦りはあったかな。
ただ、僕は30歳になる時に
「30になったら違う世界が見える」
と言われたし、40歳になる時に
「40になったら違う世界が見える」
と言われたので、早く違う世界を見たかった。
30歳に早くなりたかった。

実際、20代から30代に切り替わった時はどうでした?

30代の最初はわからなかったけど、
年齢を重ねるにつれてわかってきました。
周りの評価が違うなって。
僕は19歳で働きだして22歳でフリーになった。
当時は22歳でフリーはいないわけです。
「若造だ」と言われ、ずっと下だ、下だと。
ある時、気づいたら僕は上になっている立場。
「自分が上に立ったんだ」
と初めて気がついた。
そして、周りの年代も上がってくる。
付き合う人によって自分のステージが決まる。
それは、
「ニワトリが先かタマゴが先か」
の話ですけど、
自分が上がっていけばステージが上がっていくし、
ステージが上がっていけば自分が上がっていく。
たとえば、20代の時に40代くらいの経営者のところに
入り込んでいけるかというと、
やっぱ難しいんですよね。
30代の後半になってくると、
話を聞ける状況になってくる。
年齢が上がってくると違うものが見えてくる。
40代はまた違うことが見えてくると言われたので、
楽しくてしょうがない!

これからの10年がものすごく楽しみですね。

ホント楽しみ!
マイナスに考えたところで勝手に歳を取る。
死ぬのは怖いですけど、しょうがないですよね。
だったら、楽しんじゃったほうがいい。

これからの夢や目標はあるんですか?

それはあまりないんですよね。
楽しんで生きることが夢かな?
楽しめればいいです。

ものすごく漠然と(笑)

仕事でも
「これがいやだ、あれがいやだ」
とか言うんではなくて、
来た仕事は全部やって、
それを楽しんでやれれば一番いい。
そういう精神状態に常に入れることが夢かな。
夢というか、そうしたいと思っていますけどね。

それは何%くらいまで叶っていますか?

20%くらいかな。
現状を楽しめているけど、
実際楽しめている状況を作れているというか、
たとえば、金銭的な面もそうだし、
ステージや会社の状況などを考えた時にまだ全然。
「こんなもんじゃないでしょう」
って感じですよね。
会社を創った時は、
「40歳で卒業する」
と言っていたんですけど、
全然卒業できないね(笑)
リーマン・ショックで、
IT企業、全体的にひどかったからね。
卒業するとか言っている場合じゃなかった。
今はその状況ではないので
まだもう少しがんばらなくてはいけないと思いますね。

では、一問一答形式で。
憧れている人は?

高田純次。
あのいい加減さ、最高!
僕はあーいう、おじさんになりたい。

好きな本は?

「竜馬がゆく」です。

20代でこれは成功したな。という経験、分岐点は?

あるとすれば、
26歳から28歳までの
3年間のあるプロジェクトですね。
26歳や27歳の年齢やキャリアでは、
絶対にやれなかったことをさせてもらえ、
成果も挙げた。
この3年間、
手探りの中でも成果も出せたということかな。
それと、起業の話の中で出てきた29歳からやったプロジェクト。
これは、さっき話した3年間のプロジェクトの中で試行錯誤の上、完成させた自分自身の
エンジニアとしてのノウハウを全て使って、狙い通りに成果を挙げられましたから。

そのプロジェクトのお話を
少し具体的にお聞きしたいのですが。

僕らが担当したところは作業が、着任する前から4カ月遅れていたんです。
4カ月遅れていたんですけど、僕らは独自のやり方でそれを取り戻そうとした。
例えば、“アーキテクト(プロジェクト運営方針)”のためという理由だけで、
色々な作業指示が出された。
当然、僕らはそれに従うべきなんだけど、
でも、理由が分からない、
意味や意義が分からないものについては、
プロジェクトの意向を無視した。
単にルールだからとかって頭でっかちに
「こうしなさい、あーしなさい」
ということをことごとく無視して、
自分たちの責任において、自ら作ったローカルルールでやった。
結果として、結構早い段階で、他のチームの開発に追いついて、
そして見事に追い抜いてやりました(笑)
もちろん品質面でも1番でしたし。

それで認めさせたってことですよね。

まぁ、結局は。
それは結構気持ちよかったですよ。
全部計算づく。
自分でやったことが全部当たりましたから。

元々、戦略を立てることが得意だったんですか?

僕は基本的にリスクを取る人間なんです。
勢いでやりがちだと思われがちなんですけど、
実はリスクを取るタイプ。
失敗しても最小限になるように絶対保険をかけておくんですよ。
石橋をたたいて渡る人間。
だから、やる前にまず考えてからでしかやらないんですよね。
戦略をたてます。

たとえば、そのノウハウをノートで書くとか
何か管理の方法はあるんですか?

全部、頭の中です。
基本的には頭の中でやるのが一番いいと思うので。
メモを取ったり、書きだしたりすることはありますよ。
あとは自分の頭の中を整理したり。
基本的には考えることですね。
考えてまとめる、整理するのが一番いいと思いますけどね。

それもひとつのスキルだと思うんですけど、
経験で積み重ねてこられたんですか?

考え方だと思います。
思考の使い方だと思います。
基本的に
「なぜだ?」
ってことを考えていけば、その結論に行きつくんです。
結局、すべてのことが
「なぜだ?」
なんですよ。
たとえば、
「コーヒーにミルクを入れるのはなぜだ?」
と考える。

考えたことないですね。

それでも考えるんですよ。
「何で入れるんだろう?」
って。全部そうやって考えていくんですよ。
「何であの看板は赤いんだろう?」
と考えるんです。
そうすると物事には絶対に理由があるんですよ。
人の行動にも理由があるし、
全部理由があるんです。
理由さえわかれば、正しい行動が取れる。
それでも考えるんですよ。
「何で入れるんだろう?」
って。全部そうやって考えていくんですよ。
「何であの看板は赤いんだろう?」
と考えるんです。
そうすると物事には絶対に理由があるんですよ。
人の行動にも理由があるし、
全部理由があるんです。
理由さえわかれば、正しい行動が取れる。
プロセスをきちんと押さえていけば、結果は出るはずなんですよ。
努力の量と質を高めたら、
結果なんて絶対出るんです!
努力しても結果が出ない人は量が足りないか、
質が足りないかだけですから。
ただ、質を高める努力をするためには、
プロセスをするしかないじゃないですか。
それはすればいいだけの話。
間違ったことをしたら
「なぜ間違ったことをしたのか?」
を考える。
成功したときには
「何で成功したのか?」
を考える。
失敗した時に「なぜか?」と考えるんですけど、
成功した時に「なぜか?」と人間は考えられないですから。
これを考えることをしていけば、
成功していけると思いますね。

常に意識して考えていらっしゃるんですね。

後づけかもしれないけど、
失敗した時に理由を考えることはすごく大事なことだと思いますよ。
だって、同じ失敗を二度としたくないじゃないですか。
常にやり方を考える。
あとはやり方に捉われないことですね。

では、これは失敗した、どん底だったという経験は?

起業して最初の5年は本当に大失敗の連続だったと思います。
特に人のこと。
組織の作り方や採用の仕方とか、
そういうことは大失敗だったと思います。
自分自身の仕事は順調だったんですね。
エンジニアとしてはすごくよかったけど、
経営者としては焦りもあったんですよ。
失敗したことが悪いことだとは思っていないです。
自分の理念を曲げなかったからこそ、
そういう結果になったと思っているので。

「理念」
教えてもらってもいいですか?

「お客さんのためにシステムを作る」
お客さん本位の仕事をすることが、
うちの会社の基本的な理念。
それを変えずにやってきた。そして、
「エンジニアを育てる」
これが大きなミッションだったので、
すべての基準になったんです。
たとえば、
「つまらないけど、お金がいい仕事」と
「すごくお金は安いけど、経験になる仕事」
どちらを取るかという時に、
迷わず僕は後者を選んできた。
その人にスキルがあって他人の評価がもらえていれば、
お金を高くもらえるわけじゃないですか。
選べる状況じゃないことが本人の問題なので、
選べる状況を作るためには経験を積ませるしかない。
その積ませることを重要視してやってきた。
それは会社を創った時から全く変わっていないですね。

お金のいい方に流れてしまうと思うんですけど。
過去、僕が一緒に仕事をしていたこの業界の経営者は
お金主義だったので。

考え方次第だと思うんですよ。
営業出身の社長だったら
「おまえ、ふざけるな」
と思いますよね。
「この子を教育するためにこのお金で」
と言っても
「何言っているんだ! 売上だろう」
と言うと思う。
僕は、売上や利益もすごく大事なんだけど、
やっぱりその子が成長するために、
その時必要な仕事を与えてあげるのが、
すごく大切なことなんじゃないかと思う。
今までもやってきたし、これからも。

勉強になります。
では、最後に若い人たち、
これから起業を目指している人に向けてアドバイスを。

バランスよくやることが大事。
頭でっかちになって行動しないのもダメだし、
何も考えないで行動しちゃうのもダメだと思うんです。
結局、成功している人たちというのは、
少なくとも自分がやってきたことを
プレゼンテーションできるだけの能力を持っていると思う。
プレゼンテーションできるってことは、
当然自分のやってきたことを分析できていると思うんですよ。
なかには、後づけで分析している人もいるとは思いますよ。
「エイヤー」って行動を起こす人も結構いるんです。
でも、感覚的かもしれないけど、
どこかで
「イケる」
というものを持っていると思うし、
ある程度自分の中で戦略を持っていると思うんです。
無計画にただやるのと
本能の趣くままにやるのは
似ているようで全然違うと思う。
心理学的なアプローチをすれば、
動機があるのとないのとでは、まったく違うんですよ。
本能でこれを求めていると思ったら、
入り込み方が違うんですよね。
でも、何となく無計画でやると、
動機がないから入り込めないんですよ。
これは止めたほうがいい。
とはいえ、計画ばかりで
頭でっかちになって、
行動を起こさないんだったら、意味がない。
リスクが少ない範囲で行動してみること。
そのなかで自分が正しいと思ったことを見つけて、
試してみることは大事だと思う。
人生はトライ&エラー。
細かい失敗をどれだけしているか。
すごく重要だと思います。

最後に、29歳当時の自分に向けた言葉を色紙にお願いします。

ありがとうございました!

ママチャリで日本一周している経営者
2007年から毎年分割でママチャリで日本一周を目指しています。ほぼ一周を終えつつ、ゴール目前で、寄り道企画(四国八十八ヶ所編)を2017年から開始。人に「場を与え、繋げ、拡げる」を基本軸に、法人複数社の経営と一般社団法人の理事として活動中。
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