34人目 福田剛大さん:オフィス大福

会社名:オフィス大福
URL:http://ameblo.jp/getjazzed/
公開日:2010年06月12日


今回の旅は、オフィス大福の福田剛大さんです!

まずは自己紹介をお願いします。

はい。仕事が取れる名刺の専門家の福田剛大です。
今は名刺というツールを通して
企業や個人のコンセプトメイキングを行っています。
過去に人とコミュニケーションをとるのが苦手で鬱になった時期があったので、
それを克服するためにリハビリで名刺交換していました。
自分自身が克服できたので、
話下手な人のために名刺だけで仕事が取れるようなアドバイスをしています。

名刺交換がリハビリ?
驚きです。

そうなんです。37,8歳の頃、人と目を合わすことが怖かった。
会社に行ったらリストラされるんじゃないかという不安もあった。
転職するのも怖かった。
さらに、会社も売上が落ちてきて、
毎日、人事発令が出て、
今日システムの○○さん退職、退職、退職、退職…。
ぼく自身、したくもないリストラを毎日せかすようにしたり。
保身に走るような状態だったんです。
人として間違っているんだろうなと思っていても、
そうしないと会社に生き残れないから。
それで心がおかしくなったんです。
毎日毎日、会社行く前に、カラダに軽く車がぶつかってくれないかな。
適度に後遺症が残らない状態で入院したいな。
みたいなことばっかり考えていました。
俺、ダメ人間だ。ダメ人間だ。って。
ダメ人間スパイラル。
そういう状態だから人にものを伝えるっていうのが怖くて、
プレゼンも出来なくなっちゃったんですよ。

なるほど。ただ、現在は名刺をもとに積極的に活動し、
多くの人の前でもセミナーをされたりと活動的ですよね。
名刺以外にも多くのツールがあると思うのですが、なぜ名刺に着目を?

鬱になりかけていた時に子供が生まれて、
3ヶ月くらい経った時、ふと子供と目が合った。
子供の目を通してみた僕の顔をみて、
「あれ?今、俺こんな顔してるのか?」
「この子にとって、俺、カッコ悪いな。」
って、思ったんですよね。
10年後も鬱だとかいって、
薬を飲んで、辛い辛いって10年、20年、過ごすのか?
「それはNOだな」
と思ったんです。
じゃあ、環境変えるしかない。
転職をしよう!と思った。
ただ、ダメ人間スパイラルのままじゃどこも無理。
なので、コミュニケーションを取り直そうと、
異業種交流会に出始めたんです。
そこで名刺交換をしながらコミニケーションのリハビリをしていた。
当初は名刺コレクターになろうと思ったんですよ!

コレクターですか?

そうそう。
名刺交換して、3分間話せたとか。
今日は税理士さんと30秒話せたけど、
何を話していいかわからなかった。とか。
全部、記録をとっていったんです。
半年に3000人。

凄い数!

最初、名刺が溜まるのが嬉しかったんです。
だけど半年過ぎた時にふと思ったのが、
「あれ?こんなに名刺があるんだけど、
誰とも飲みに行ったり、誘いが無い。」
って、気づいたんです。
その時にちょうどこの本にめぐり合ったんです。
アメリカのビジネス社会は名刺じゃなくて、
自分のパンフレットを配るとビジネスがうまくいっている。
って、書いてあった。
これだ!って、思った。
当時、日本で名刺交換のときにパンフレット配っている人なんていない。
で、早速、自分パンフレットを作ったんです。
僕の頭の中では、
「福田さんすごいね、仕事紹介するよ!」
って、期待していたんですけど、、、
期待どおりの反応は、全く無かったんです。

せっかく作ったパンフレット。
反応がなくて、なにか改善とかされたのですか?

白黒がダメだったから、カラーにしたり。
4枚から8枚にしてみたり。
だんだんと企画書みたいになっていった。
それでも、反応は悪い。
で、優しそうな人に、
「これは何が駄目なんですか?」
って、聞いてみたら、
「福田さんね、いきなり初対面でこんなの渡されても困りますよ」
「持って帰るのも面倒臭いし、第一売り込まれそうで嫌だ」
って、言われたんです。
こっちは仲良くなりたくて配っているのに、真逆の効果。
その時にぽつりと
「形とかは嫌だけど、中身を読んだら面白いよね。」
って言われた。
そこでまた気づけたんです。
結局、名刺交換!
名刺にこの内容をギュッっと圧縮して書くしかない。
すると、こっちから話すんじゃなくて、
話しかけられはじめたんです。
「何なのこれ?」
「面白いですね。ちょっと話聞かせてください」
まさにこれ。俺の望んでいる反応。
それが5年前くらいですね。

なるほど。試行錯誤した結果、名刺に落ち着いたんですね。では29歳の話へ。
29歳の頃はまだ名刺だとか鬱という時期ではないと思いますが、
当時はどのような気持ちでどのように過ごされていたのですか?

チャラリーマンでした。
何にも考えていなかったです。
大人って悩まないものだ。って、思っていました。

名言ですね。
「大人って悩まないものだ」

実は、昔、鬱とかって悩んでる人って、
変な人だと思っていたんです。
周りにそういう人もいなかったし。
もう皆イケイケばっかりだったんです。
仕事も楽しんで、
プライベートも遊んで、
毎日、酒飲んでましたよ。

30歳に向けた熱い想いとか夢とかは?

何にもないですよ。
普通に会社にいれば役職就いて偉くなってみたいな。
モワッとした人生設計像。
多分、小学校の時からじゃないでしょうか。

誕生日って覚えています?
29歳から30歳に切り替わる日。

覚えています。
何でかっていうと、僕29の時に結婚したんです。
付き合って半年後には結婚しようって話になって。
で、結婚式に呼ぶ出席者を選ぶ中で、
過去、毒舌で式をめちゃめちゃにしてきた上司を呼ばなかったんです。
で、結婚式が終わって、
新婚旅行から帰ってきたら、
異動させられていた。
今まではチラシやPOPを作ったりする販促に携わっていたんですけど、
いきなりスーパーの肉屋に飛ばされた。
大きい「スライサー」って呼ばれる、
むき出しの刃がぐるぐる回っている中での作業。
肉切ってるうちに指切ってしまいそうになる場所。
仕方なくやってましたが、そこで、
「俺、何やりたいんだろう?」
って、現実を初めて突きつけられました。
本当にはじめて考えた。
誕生日で30歳になる。
そうすると、失業保険が3ヶ月だったのが6ヶ月になるんです。
だからもう辞めるって決めたんだけど、
失業保険の為に、無理して会社に居ました。
終わりの1ヶ月はゾンビみたいに気力ないまま。
「はやく誕生日こい、はやく誕生日こい」
って。やる気の無い29歳から30歳でした。

誕生日の時は嬉しかったですか?

複雑でしたね。
これで俺の20代終わったっていうのと、
会社辞められるっていう安堵感と、
これからどうしようって不安感。
結婚して3ヶ月で失業者ですからね。

すぐに転職活動をされました?

最初の1ヶ月はふらふらして、
嫁さんに食わせてもらっていました。

その間勉強したりとかは?

研究したのが、履歴書と職務経歴書の書き方。
1、2ヶ月ずっと研究して、
何社出しても書類は通るようになりました。
今はそのノウハウを使って友達を某一流商社に入社させたりしています(笑)

これからの夢とかビジョンって何かありますか?

ありのままで受け入れられる世の中を作りたいんですよね。
やっぱり話すのが苦手な人もいるから、
名刺交換だけで仕事が取れる世の中にしたいです。
話そうと思うから凄いプレッシャーですけど、
話しかけられると思ったら、
名刺に書かれていることしか聞かれないので、
質問されたって、きちんと答えられます。
って、スタイルでもOKだと思っています。

なるほど。
確かに多くの人に元気を与えられますね。

プレッシャーが大きいですからね。
自分で自分を追い込んでいる人が多いからこそ。

わかりました。
では別の質問を。
今憧れている人は誰かいますか?

あまりいない。
いないっていうか、会う人、みんな凄い人ばっかりで。

昔から憧れていたヒーローでも、
キャラクターでもいいですよ。

ルパン三世とブラックジャックみたいな人いいですね。
なんかちょっとダークヒーローっぽい正統派ヒーロー。

好きな本は?

ジョジョの奇妙な冒険。
あれもう人生哲学ですね。
全部詰まってます。
ブランディングとして読んでもすごく良いですよ。
ブランディングの極意が書かれています。
僕それで作ったコンテンツがあるんですよ。
ジョジョの奇妙な冒険に学ぶパーソナルブランディング講座って。

この件はインタビューとは別で今度ゆっくり話したいです(笑)
では20代のときの成功、分岐点をあげるとしたら?

嫁さんと結婚できたことが成功ですね。

では20代の失敗は?

お酒の失敗ばっかり。
酔っ払って自転車漕いで車に激突したこと3回くらいありますから。
あと酔っ払って、電信柱にぶつかったことも。
そのまま血を流しながらコンビニに行って、
「すいません、消毒液ください」
って、言ったら、店員さんが、「はい」って言って、
連れて行かれたコーナーがデザートコーナー。
「はい、ショートケーキ」
って、言われて。

いやいやいやいや。
ちょっとそれホントっすか?

ホントホント!
酔っ払ってたから、自分もロレツが回ってなかったんですよね。

これ、、、
福田さんというより店員さんの失敗ですよね(笑)
では、毎日の習慣はありますか?

必ずやっているのが、仏壇に拝んでいます。
「今日も元気で頑張ります!」
て、ね。

20代の人達、これから30歳に切り替わる世代の人たち。
悩んでいる人も多いと思います。
何かアドバイスとかがあれば。

20代のときの悩みは素晴らしい財産ですよ。
多分どっぷりつまっている時って、
閉塞感あるかもしれないですけど、
絶対財産になっているんで。
悩めば悩むだけカッコイイよね。

~~~では本日の同行サポーターより質問ターイム!~~~
私、おじいちゃんおばあちゃんの介護施設で働いているんです。
僕の場合はたまたま人と接すること私好きなんで、
人の中で生かされているってすごく実感している人間なんです。
そこに自分の価値がはっきりと見出せる。
俺はこの人たちに何が出来るの?
って。
けど現実問題、おじいさん、おばあさんが表現することって凄く難しい。
表現する場所が無い。
福田さんは、若い人に対して色々と思い入れがあると思うんですけど、
あえておじいさん、おばあさんたちに対して。
自分を表現するためにはどんな事が必要だと思われますか?

「ヘルプマン!」
って漫画があるんですけど。
あれ読んでいると考えさせられますよね。
おじいさんおばあさんに語ってもらうのって、
良いかなって思うんですよね。
○○さんのここが好きですよ。
というところからはじめて、
入居している人の○○さんのここが良いですよ。とか。
そこをはっきり言わせるだけでもすごく勇気いるし、
エネルギーがいるから、
凄いことかなと思うんですよね。
口で言うのが嫌だったら、
色紙に書いてみるとかして、
皆で思いを伝える。
目に見えるかたちで表現してもらうこと。
これってすごくいいのかな。
って思います。

実は僕も会社をやりたいと思っています。
おじいちゃん、おばあちゃんを元気に出来るような何かをしたい。
ちょっと難しい質問になると思うんですけど、
福田さんはおじいさん、おばあさん達に対して、
提供できる楽しみってどんなものがあると思いますか?

そうですね、
僕だったら、
自分史とか書いてもらうかな。
話を聞いてもらえる人がいると凄く喜んでくれると思う。
例えば、自分で書くとちょっとアレかもしれないので、
インタビューしたやつを文字に起こしてみたり、
漫画にしてみるとか、
新聞にしてみるとか。
もっと楽しいツールにもっていった方がいい。
家族とかの言葉も載せて、新聞にしたり。
めちゃめちゃ面白いんじゃないかと思いますね。

ありがとうございました!
~~~同行サポーターの質問タイム終了!~~~
皆さんに色紙をお願いしています。
当時の29歳の自分に向けた言葉を是非書いていただきたいです。

この言葉を伝えたいですね。
この意味がわかるまで、
お前は10年かかるぞ!と。
考え方が刹那的だったんです。
別に今死んでも関係ないや。
生まれてきて、死ぬだけの話だから、
どうでもいいような感じだったんです。
生きることに執着はしないですけど、
やっぱり今、
子どもに生き様を見せていかなきゃ駄目だなって思っています。

子供の存在って大きいですか?

大きいですね。
子供が僕の恩人です。
この子の為に、
俺カッコ良くならなきゃ駄目だ。
って、気づけたので。

僕が格好良いなと思う大人の人って、
みんな共通しているんです。
子供が宝であり、生き甲斐であり、子供の為に。
まだ結婚していないのでわからないですが、
僕も同じようなことが言えるようになりたいな。
って、思いました。
今日はどうもありがとうございました!
最後に一言どうぞ!

名刺で悩む必要ないです、俺全部悩んできたんで。
全部解決できますよ!