38人目 渡辺千春さん:株式会社ワタナベ

会社名:株式会社ワタナベ
URL:http://ameblo.jp/aircap/
公開日:2010年06月28日


今回の旅は、株式会社ワタナベの渡辺千春さんです!

まずは自己紹介をお願いします。

印刷会社をしています。
紙袋に特化しているのですが、
いろんな印刷物もお受けしています。
あとは、プチプチ。
ご存知かと思いますが、梱包の時によく使う、プチプチね。
ネット販売も順調に売れていて、紙袋とプチプチ、その二本柱ですね。
印刷総合業といえると思います。

昔から印刷業界に興味はあったのですか?

大学を卒業し、就職活動で、
15社を受けて3勝12敗。
いろんな企業を受けました。
アパレルからスーパー、
銀座の伊東屋さんや伊勢丹、色々ですね。
人が好きなので、人と接する職業に就きたかったけど、
3社しか受からなかった。
3社目が200人程の小さな印刷会社。
選んだのがその印刷会社だったんです。
というのも、父が印刷業の会社を興していたので、
小さい頃から父の背中を見てきたせいか、
影響があったんでしょうね。
インクや色に興味もありましたので。
そこで、営業として仕事を始めました。
約2年いたんですけど、毎日苦労しました。
そうこうしているうちに、
父の具合が悪くなりまして、
2年とはいえ印刷というスキルを学んだので、
紙袋屋だけではなく、
広告代理店の仕事やコンサートグッズなど、
印刷の世界が広がったので、
父の会社に入ったわけです。

お父さんの会社に入るということでの大変さとかはありましたか?

「二代目だから楽をしてきたんだろう」
という、、、ニュアンスはわかりますよね?
そういうところはありました
僕のなかでは順風満帆な人生ではなかった。
記事にはできないですけど、
結構色々とありましたよ。
ただ、さかのぼると小さい頃、
僕、千春という名前なんですけど、
当時は女子の名前ってことで、
からかわれたり。
名前が原因ではないと思いますけど、
幼い頃からイジメられ、
シカトされたり。
それでも、毎日学校に行っていたので、
打たれ慣れていたんでしょうね。

幼い頃、イジメられていたというのは驚きでした。
ただ、渡辺さんが、すごく人を大切にされ、
若い子が集まってくる理由がわかった気がします。
社長になる。
という気持ちは若い頃からあったんですか?

ありましたね。
「起業して社長になるのか、継いで社長になるのか」
のどちらかは考えていました。
実は、高校の頃は、芸人になりたかったんです。
モノマネの。
ただ、モノマネ芸人のコロッケが出てきて、
ある意味、挫折しました(笑)。

ライバルがコロッケ?(笑)

コロッケを見て、
「もうこれはムリだ」
「二番煎じに過ぎない。」
と思い、諦めました。
で、父の会社に入って、修行。
そこで、古参の幹部と色々とありました。
ちょうど、パソコンが導入されつつある時代。
僕の新しい息吹、
技術的な所も含めて、新しい息吹を持ってきたら、
ぶつかりましたね。
新しい技術や商品をどんどん注入していかないことには、
このままの会社ではムリだろうと思っていたのに。
なかなか理解されない。
大変でしたよ。
当時、幹部の人たちとは20~25歳も離れていましたからね。

では29歳という節目の年。
思い出や強い想い等はありましたか?

結婚したのが27歳。
29歳は、まだ子供もできていない時で、
とにかくガムシャラでした。
だから、今の若者を見て、
「すごいなぁ。」
と思うんですよ。

今の若者が?

当時の僕は、今の27~30歳の若者の考えにまで及んでいなかった。
これから何をやりたいとか、
どういう大人になりたいとか。
とにかく、毎日一生懸命生きるだけ。
だから、今の若い人たちってすごいと思うんですよね。
マスコミや何やらで「草食男子」と言われてるけど、
僕は「雑食男子」だと思うんです。
いろんな物を取り入れる力を持っている。
それを自分自身の物にして行動していく力を持っている。
すばらしいと思います!

そう言ってくれる渡辺さんのような大人がいるってことが、
すばらしいなと思います!

僕らの時代はパソコンもない。
カラオケボックスもない、携帯電話もない。
コンビニも少ない。だからといって、
「俺達は、そんな時代に生きてきたんだぞ!」
って、説教じみた事を若者に言っても、
「あぁ、そうですか」
と言うしかないじゃないですか。
むしろ、今の情報過多の時代で、
何をやろうかと思って、
考えつくそのアイディアと行動力がすごいと思う。
我々の時は逆に少なかったですから。
大体、流れが決まっちゃうんです。
大学を卒業して就職が決まったら、
そのまま終身雇用という道。
それが当たり前だったのかもしれないですけど、
そういう時代ではない今の若者はすごいなと思いますね。

そう言っていただけると、ギリギリ20代の自分もうれしいですね(笑)。
ただ、情報が多すぎてやりたいことが定まらない人が多いのも事実。
多くの模索している人を見ていると、
道が決まったほうが楽だと思う事も多いです。
楽だし生きやすいのかな。と。

僕はうらやましいと思いますよ。
僕は中谷彰宏さんという作家の方が大好きで、
ある方が質問したんですね。
中谷さん、これからの夢は何ですか?
もう成功されていますよね。
でも、そのうえでお聞きします。
この先の夢は何ですか?
すると、中谷さんは
「夢なんか今まで持ったこともないし、これからも考えていない。目標もない」
「一日一日を大事に大切に。一生懸命、人との出会いを大事にしてきただけ。
それが結果につながっているだけ。みんなそこを忘れているんじゃないか」
と、言うんですよ。
これってすごいなぁ、って思う。
目標や夢を持つことは絶対にいいんですよ。
僕は否定しない。
でも、そこでガチガチになっている人は、
一日一日を見るべきじゃないのかな。
そうすると、自ずと決まっていくんじゃないかと思うんです。

納得です!
僕が今やっていることもそうなのかなと思う。
去年、考えすぎて頭でっかちになりかけていたので、
毎日毎日、いろんな人に会って、勉強をさせてもらって。
そこから自然と決まってくるかなと思い始めて。
今、こうやってインタビューさせてもらい、
お話を聞かせてもらうことも。
やっぱり、毎日を頑張った結果として、
勝手に道が開けてきているのかな、って思います。
29歳から30歳に切り替わる誕生日
思い出は何かありますか?

「やっべ、30歳になっちまったよ。」
他の30歳の奴は、すごいよなぁ。という焦りと、
この先、どうなっていくのだろうという不安がありましたね。
僕が29~30歳の時は、まだまだ未熟だった。
毎日、一生懸命生きているだけ。
夢や目標もなかったです。
そうこうしているうちに36歳くらいの時。
うちの30~40%を占めているお客様が倒産したんです。
そして連鎖倒産の危機に直面。
タイミング悪く父も亡くなりまして。
そんな時にプチプチが支えになってくれたんです。
ヤフオクがちょうど流行りはじめた時。
プチプチをきっかけに、封筒や事務用品の印刷の仕事にも繋がって。
運がよかった。
ただ、その時に助けてくれたのは、
やっぱり社員ですし、家族や友人、先輩。
改めてそこで人脈の大切さを知りました。
僕の座右の銘は、
「感謝と思いやり、謙虚」
この3つが柱になっている。
この不況の時代に何とかやってこられるのも、
今まで築いてきた人脈ですね。
若い時に自分のピンチに助けていただいた先輩や友達がいたので、
今度は恩を返す番。
そこで、「おせっかい」をしちゃおう!と思い、
今ではおせっかい社長なんて呼ばれるようになりました(笑)
「おせっかい」って言葉はどちらかというと悪いイメージじゃないですか?
僕の解釈としては、
“節度ある介入”
2年ほど前、若い人が集まるような交流会にも参加していたんですが、
ある時、ある青年と出会ったんです。
IT会社の取締役をしている青年で、
その方が、交流会に出ている理由を話してくれた。
「尊敬できる大人探し」
「格好いい大人、目標になる大人。自分が20年後にこうなってみたい大人がいない」
あまりに寂しい事を言うなぁ。
と悲しくなりましたが、その後、言われたんです。
「渡辺さんに出会ったので、もう交流会には出ません」と。

おぉ~、なんてステキな!!
その青年は、渡辺さんに出会えて、
渡辺さんという目標になる大人を見つけれたのですね!

嬉しかった。
そうこうしているうちに、
ミクシィでは「ナベプロ集合!」というコミュニティができたり(笑)
こちらが応援しているのに、勝手にサークルが作られちゃったり。
それで、「さらにおせっかいをしよう!」と思ったんです。
がんばっている若者に背中をちょこっとだけでも押してあげる。
説教ジジイとは違う。
同じ世代だと相談した所で「大丈夫だよ」と言われるだけ。
その先のアドバイスをしてあげる。
それは、やっぱり経験なんですよね。
結局、ビジネスもプライベートも一緒。
格好いい言葉で表現すると「自分より他人」
その意識が非常に強いんです。

若い頃からその気持ちだったんですか?

いいえ。なかったです。
ただ、苦労してきたから。
もっと苦労してきた人もたくさんいると思います。
でも、自分のキャパのなかでは苦労でした。
その中で助けられてきたことが大きい。
助けられてきた積み重ねが、
自分のなかにずっと残っているから、
40代になって、多少余裕が出てきて、
「じゃあ、返そうか」
と思えてるんですよね。
混沌とした世の中ですし、不況ですし、
政治に頼った所でもひどい状況。
政治では日本を変えられない。
散々、見てきましたから。
「若い力が日本を変える。」
自分のなかでは“平成維新”だと思っています。
そのなかで、大人達のちゃんとした意見を、
若い人たちにも伝えていかなくちゃいけないと思います。

同世代に想いを伝えること、
難しいんじゃないですか?

難しいかもしれません。
でも、今年から毎月、「おせっ会」という会を開いてまして(笑)。

ナイスな40代ギャグですね(笑)

10人から20人くらいで、
セミナー形式でやっているんですね。
その後、交流会になるんですけど。
普通の交流会だと名刺交換で終わってしまうので、座談会。
大人と若者が話をする場。
そして、同世代の人たちに対してもっと伝えたい。
「若者たちの背中をもっと押そうぜ!」

そんな大人が増えたら若い人たちも元気でますよね!

決して、若者は頼っているわけじゃないんですよ。
自分というモノをしっかり持っている。
そこに大人が背中をポンと押すだけ。
話を聞いてくれるだけで全然違うと思う。

絶対、違いますね。
僕もたまたま20代前半の頃に何人かの格好いい大人に出会えたので、
経営者になろうと思えた。

それはすばらしい! 
だから、今の20代が、40代になった時、
すごくカッコイイ日本になっていると思うんですよ。
もうひとつだけ言いたいことは、
「おせっかい」を2年前から徐々に始めて、
すごい勢いでお節介をさせていただいていますけど、
去年くらいから実は若者からお節介をされているんです。
ある若者から、ネットTVをやってみないか?と提案をもらったり。

若者たちから声がかかったんですか?

そう。
「発信してよ!」と言われたんです。
それで、毎回ゲストを呼んで、
みんな頑張ればこんな風になれるんだ!
ということを、インターネットTVで伝えていく活動をしたり。

若い人たちからそういう声がかかるって、
本当、ステキですね!
若い人たちをひきつける渡辺さんの魅力。
誰か参考にされていたり、
尊敬している方、憧れている人物はいるのですか?

ずっと中谷彰宏さんですね。
簡潔に目線を若い人たちにおろして話してくれる。
自分は頭がいいとか全然言わない。スーッと入る。
だから、お会いした時は、大満足でしたね。

~~~同行サポーターからの質問ターイム!~~~
今までいろんな「おせっかい」をされてきたと思うんですけど、
困った方とかはいましたか?

困ったことはないです。
恋愛の相談も乗りますし、就活の相談ものります。
人生や仕事の相談だったり、
いろんな方がいらっしゃるんですけど。
今まで嫌な思いはない。
ただ、その前に受け入れていないんだと思います。
負のオーラにどっぷりつかっている人や、
依存で、おせっかいしてくれという人は、近寄ってこない。

では、会社として、
事業を展開される上で、どこに視野を向けるといいますか、
まったくの異業種や新規に向けるための切り口はどうされているんですか?

最近、新規をしていない。
というのは、自然と仕事をいただいちゃうんです。
「ナベさんの所、印刷屋だったよね?」
って、紹介してくれたり。
B to Bは完全にそこで成立しちゃうんですよ。

理想的ですね。

毎日のように来るといったら、大げさかもしれないんですけど。
だから、新規開拓に行かなくても事業はどんどん広がる。
人ありき。なんです。
全員がそのやり方でうまくいくとは思いませんけど、
その考え方は非常に重要じゃないかと思いますね。
まず人を好きになる。
そして自分を好きになってもらう。
営業にも言っているんですよ。
新規も大事だけど、
この時代だからどんどん横槍が入ってくる。
それを逃がさないためにも
「君を好きになってもらえ」と。

~~~サポーターからの質問タイム終了!~~~
では皆さんに29歳当時の自分をイメージしていただいて
色紙を書いてもらっています。

ありがとうございました!