40人目 船井勝仁さん:株式会社船井本社

船井勝仁さん
会社名 株式会社船井本社
URL http://www.funaikatsuhito.com/
公開日 2010年07月06日

今回の旅は、株式会社船井本社の船井勝仁さんです!

まずは自己紹介をふくめて現在の活動などを教えていただけますでしょうか?

船井本社という会社の社長をさせていただいてます。
船井幸雄が船井総合研究所を引退した後、
第二の人生をやるための会社です。
お金儲けではなく、世のため人のために貢献することをやることが目的の会社です。
主な業務の一つは経営者の方向けの「船井塾」という勉強会。
これは100人くらいの会員さんがいて、
毎月いろいろ講演会や勉強会をさせていただいております。
もう一つは、「にんげんクラブ」です。
これは「百匹目の猿現象」を起こそうと。
たとえば、資本主義。
「今だけ、自分だけ、お金だけ」
が目的で生きている人のことを
「資本主義で生きている人」
と私達は定義するんですけど。
競争することが善で、
取り合い、究極的には戦争をしなくてはいけなくて、
弱肉強食で基本的に性悪説で世の中がすべて動いているというのが
「地の理」で動いている社会。
逆に、助け合って、共生し合って、
強い人も弱い人もみんなそれぞれ自分の役割を果たしていて、
みんなが幸せに助け合って暮らしているような社会。
それが「天の理」と言われるもの。
「地の理」という環境やシステムは限界に来ているので、
「地の理」の社会を終わらせて
「天の理」の世の中にしよう!というものです。
「天の理」の世の中にする方法論が
「百匹目の猿」というやり方。
ある一定の数、百匹目の猿が気づけば、
その他の猿もみんな気づくという、
臨界点の数のことを象徴的に「百匹目の猿」と言うんです。
だから、1万人目なのか10万人目なのか100万人目なのか。
わからないけど、「天の理」の社会に気づいた人が
ある一定の数になれば、
「地の理」を破れるんだよ。
という考え方で活動しているのが「にんげんクラブ」です。
会員さんを集めて、
みんなの気持ちを集めて、
それを世の中により大きく発信していく仕事をしています。

現在の会員数はどれくらいなんですか?

大体、5000人くらいです。
目標は、2~3万人くらいは集めたいと思っています。
収益を上げることももちろん大事なんだけど、
それよりも社会を変革することが大事なので、
そういう仲間、他でやっている人達とゆるく連携しようと思っていますね。
そういう仲間も含めると2~3年の間に20~30万くらい。
気づいてくれる人たちのゆるい連合を作りたいと思う。
そこまでできたら後は勝手に進んでいくと思うので、
20~30万人の仲間は作りたいですね。

「百匹目の猿」という言葉はご自身で考えられたんですか?

いや、これは『生命潮流』という本があって、
ライアル・ワトソンという人が1970年くらいに書いた本に出てきます。
詳しくは是非読んでみるといいと思います。

では、今回のインタビューのテーマである「29歳」
29歳の時はどういったことを意識して、何をされていましたか?

28歳、29歳の頃はアメリカにいました。
その時、船井総研に入っていたんですね。
会社に入って何年か経っていて、しんどくなってきたんです。
というのも、社長室みたいな部署に入って、
ちょっと特別扱いをしてもらっていたんですね。
その、特別扱いをされていることに気づいた自分がいて、
辛くなってきて、正直に言うと、
逃げたんです。
あれこれうまくやって、
銀行さんのトレーニー、研修を受けるという制度をつかって、
ニューヨークにいかせてもらったんです。
完全なお客様状態で、
朝来て定時までいればいい。
銀行の人達に迷惑をかけないよう、
邪魔しないという状況でしたね(笑)
そして、1年で帰りたくなくて、
いろいろ画策をしたんです。

ニューヨークに行かれた当時、結婚とかはされていたんですか?

結婚もしていて、子供もいました。
妊娠は日本でしたけど、
お腹の大きい女房を連れてニューヨークで子供が生まれました。
船井総研は休職扱いにしてもらい、
トレーニーを1年間。
その後、ビザの関係で半年くらい何もできなくて。
遊びに行くのは構わないんですけど、
仕事ができない。
家で本を読んだりしているうちに、
自分の置かれているポジションに対してすごく怖くなってきた。
当時は「社長の息子は、社長になるんだ。」
と、当たり前に思っていたので、
「船井総研の社長にならなくちゃいけない。」
「でも、俺にそんなことができるだろうか?」
と悶々と考えていましたね。
調子が悪くなって倒れて病院に行ったら、
「何も悪くないよ」と言われたりしていましたね。

相当なストレスだったんですね。

ストレスといっても甘えていただけですけどね。
で、29歳の後半くらいにやっとビザが取れて、
弁護士事務所の「ロビイスト」
「ロビイスト」ってわかります?

すいません。わかりません。

政治を動かすために業界団体や大きな会社が
「ロビイスト」という人を雇って、
議員とか政治を動かせる人に対して、
「ロビー活動」と言うんですけど、
政策を変えさせるために交渉をする職業があるんです。
それを「ロビイスト」と呼んで、
ワシントンには、いっぱいいるんです。
その「ロビイスト」の弁護士事務所に潜り込ませてもらって。
でもね、英語力があったわけではないし、
志も高かったわけではないので、
入ったはいいけど仕事がないんです。
仕方ないから、
「暇だったら議会へ行って、いろんな公聴会や委員会を聞いてこい」
と言われて、
下院や上院に行って話を聞いていたりしましたね。
おもしろかったのはCIAに勤めていた人と仲良くなって。
その人は韓国担当だったんですけど、
その人がすごくよくしてくれて、家に呼んでくれたり、
いろいろ教えてくれて。おもしろかったですね。

そんな出会い、想像つきません!
すごく貴重でうらやましい経験ですよね!!
29歳、そのような状況で、
当時の心境としては、社長になるという気持ちはあったのですか?

ありましたね。
20代の頃からというよりは中学生からありましたね。

反発心で別の道にいこうとかは?

あまり考えたことがなくて。
反抗期は、今から2~3年くらい前が反抗期かな?
それまではあまり考えたことがないですね。

ビジョンや方向性は自分自身の中ではあまりなかったんですか?

なかったですね。
30代半ばの時に、偉い人に
「船井くんって何をやりたいの?」
聞かれて
「親父の息子です」
と答えたら、
「バカ野郎!」
とすごい怒られたことがあって。
頭の中では何を怒っているのか、わかっていたけど、
「でも、だってそうじゃん。そんな余計なことを考えていても仕方ないじゃん」
と当時の自分はそう思っていました。
3~4年前に反抗期になって、
「親父はポーズで言っているだけだ」
「百匹目の猿と言っているのは建前で、本音は違う」
「金儲けの道具だ」
と。親父は本音と建前を使い分けていたと思っていたんですよ。
そうじゃなさそうだなと気づいたのが数年前。
この会社の社長になったのが2年前で、
そこから1年経ってから
「俺もこれを本気でやってもいいかな」と思い始めましたね。

本当につい最近なんですね。

本気になったのが1年くらい前でわかってきたのが半年前だね。

今の大きな目標やビジョンは?

世の中を変革!
そもそも、
人間が変わらなくたって、
地球は変わっちゃうんです。
人間がついていけるか、ついていけないかだけの話。
ついていけなかったらまた原始時代に戻る。
そんな社会に戻っていくか、
ちゃんと地球の変化に我々の意識もついていって、
気づいた人が一定数いて、
地球の変化についていけてたら、
もう一つ上のレベルになって、
競争せずに、取り合うんじゃなくて、あげ合いたくなる。
そんな社会になると思う。
社会って誰か偉い人がいて、
偉い人が命令して作っているんじゃなくて、
今のインターネットみたいに、どこにも中心がなくて
みんながそれぞれ自由にやっている。
大きな何かはわかっていて、
「人を殺しちゃいけない」
「人の物を盗っちゃいけない」
「人の足を引っ張っちゃいけない」
その中で、みんなが自由にやっていて、誰も傷つけない。
自分がやりたいことをそのままストレートにやっても
誰も傷つけないようなレベルになっていく。
そんな社会を作りたい。
だから、若い人とやりたい。
おじさんたちにいくら啓蒙しても変われないんですよ。
エンターテイメントとして喜んでくれる人はいるんだけど、
世の中を変える力があるのは若者。
明治維新だってそうじゃないですか。
貧乏な下級武士、名もない下級武士が、
初めは尊王攘夷で燃えて
お金もないのに日本中を走り回って創ったのが明治維新。
アメリカだと僕が29歳当時から、
力のある人は個人だったんですよ。
当時のアメリカって今の日本に似ているかもしれない。
閉塞感があって、
アメリカの時代は終わったと言われていた時代。
力のある人はみんな個人で仕事をしていたんです。
日本は力のある人は大企業、
あるいはお役所に行く。
個人でやっている人は胡散臭い人しかいなかった時代。
アメリカは逆で、力のない人は仕方ないから大企業にいる。

日本とは逆なんですね。

そう。今の日本を見ていると力のある人ほど一人でやっていますね。
今後もっとそうなっていくのは間違いないでしょうね。
今日の常識は明日の非常識になっていく。
今はお金って信用しているじゃないですか。
ペットボトルのお茶は150円で変えますよね。
でも明日は1万円出さないと買えないかもしれない。
1か月経ったら100万円出さないと買えないかもしれない。
そういうことが来月くらいに起こったって何にもおかしくない状況。

今はすごく変化の時。
そんな中、大事にしなければならないとか、
若い人たちにこういうことを伝えたいことって何かありますか?

仲間!
仲間作りと仲間を大事にすること。
人間って一人で生きていけないので、
仲間を作って助け合って生きていくように。
みんなそれぞれ
「あいつ楽しいから、○○○ができるから」
って集まってしまう。それをちゃんと見つける。
仲間を作って仲間の中で一番弱い奴をどうみんなで守ってやるかを考えられ、
それができたら幸せに暮らしていける。
資本主義の仕組みは椅子がだんだん減っていく椅子取りゲームなんです。
初めは10人いた椅子から、
1つ、2つと減っていって、
もしかたしたら椅子が5つか6つしかないような状況になっている。
なぜかというと取って行く人がいるんですね。
税金や金利を取っていく人。
ゲームに参加していないのに
椅子を取っていく人がいるからだんだん減っていっている。
それが資本主義の仕組みなんだけど、
仲間を作って弱い奴を大事にすることを考えてやり始めると
椅子取りゲームと違う世界に行けるんですね。

素敵な考えですね。
弱い人を助けるという。

そう。そしてまず仲間を大切にする。

仲間の作り方って何かアドバイスありますか?

申し訳ないけど、若い人たちの方が、
俺たちよりもはるかにうまいと思うけどね。

そうですか?

見える、見える。
こちらが仲間の作り方を教えてほしいですね。
大人はコンテンツがないと動けない。
たとえば、目的がないと人に会えない。
でも、若い人は「おもしろそうだから」と言って、会える。

確かに。そうかもしれないですね。

たとえば、
「○○○が会いたいと言っているんですけど」
と言ったら、僕は、
「何のために?」
聞いちゃうんでね。
コンテンツがなきゃ動けないのがおじさん。
若い人はコンテンツがいらないんだよね。

若い人も若い人だけの考えで凝り固まる人もいると思うので、
人生の先輩と後輩。
お互いの価値観を共有できる場があればいいのかなと。
こうやってお話をする機会自体もなかなかないと思うんですよ。

いいことですよね。
今回もこうして取材をしてもらって、しかも仲間を作れて。
「おじさんもこんなことを考えているんだ」
というのをみんなにシェアしてくれているわけだから。

若い人ももっと勉強していかなければいけないと思うんです。
若い人だけで仲間を作ってしまうと、そこで止まってしまう。
もっと先輩の人の苦労されたお話を聞いたりというのも必要なのではないかなと、
最近、インタビューを通してよく感じます。

そこで弱い人という観点が出てくると動いていくんですよ。
弱い人を守るためにはいろんなことをしていかなければならない。
おじさんに頼みにいかなければいけないことも出てくるじゃないですか。
借金を抱えて困っている奴がいる、
仕事がなくて困っている奴がいる。
彼の就職を見つけようと言ったら、
おじさんに頼みにいかなくちゃいけなくなる。
どうしたら、おじさんに頼みにいけるんだろうと考え始めるじゃないですか。
そこに焦点を合わせておくと、
お金儲けができるようになるんですよ。
これって、お金儲けのコツだと思うんです。
周りのお金儲けのうまい人を見ていると、
一番弱い奴のことを守ることができる人。
だからみんなからすごい信頼されている。
それが一番のポイントなので、
みんながやる気になって動き始める。
そこに焦点を合わせられるような仲間ができていくんですよね。
今の時代、赤字、黒字というのは神様の通信簿だと思う。
やるべきことをちゃんとやっていればお金が儲かっているし、
お金が儲からないってことは神様がまだわかっていないと言ってくれている。
今一番大事なことはお金儲けを目的にしないこと。
直接的にね。結果としては儲けないとダメ。
まずお金儲けを考えちゃうと今は失敗するので、
自分の天命は何かを考えて、どう人に貢献するかを考えて動いていると
結果として儲かっている。それは若い人のほうが絶対うまくいく。
ちゃんと自分の感覚で動いていると仲間と出会って、
自分が何をするべきか明確になっていく。
あまり捉われずに。こんなことを言うと怒られちゃうかもしれないけど、
就職しなくちゃいけない、○○○しなくちゃいけないとあまり思わずに
「それでいいのかな?」
と思っても若いんだから、
自分の感覚になるべく素直にチャレンジしていったほうがより開けると思います。

~~~ここで同行サポーターからのインタビュータイム!~~~
私、28歳なんですけど、
この歳になると安定を求めちゃいます。
「若いから今やってもいいか」
というのもまたちょっと違うのかなって。
チャンスが来る場合もあるじゃないですか。
その時の見つけ方は何かあったりしますか?

サインがいっぱいくるので。
例えば、この電車に乗ろうと思ってもなぜか乗れない場合は、
その電車に乗るべきじゃない時なんですね。
ちゃんと守ってくれている人がいて、
「それは違うよ」と言ってくれている。
いつも素直な心を持つようにしておけば、
本来、持っている人間能力としてわかるようになる。
若い時はそれを素直に聞ける能力をまだまだ残っている。
一番は子供ですよね。
子供は本能のままに動いていて楽しいじゃないですか。
だから、46歳の僕よりは28歳、29歳の若者の方がその感覚を遥かに持っている。
それに素直に従っていく。
今の28歳、29歳には勇気を持ってどんどんチャレンジしてもらいたい。
1か月経ったらまったく違う世の中になっているかもしれない。
5年経ったら、間違いなくまったく違う世の中になっている。
そうしたら、安定志向なんておかしいじゃん。
世の中が変わっていくのに。

なるほど。ありがとうございます!
~~~同行サポーターからのインタビュータイム!終了!~~~
では、当時、29歳の自分に向けた言葉を色紙にお願いします。

世の中を変えられるのは愛、
行動できるのは勇気、
自分だけじゃなくて周りのことを考えられる思いやりがあるといい。

本日はどうもありがとうございました!


ママチャリで日本一周している経営者
■Profile:
2007年から毎年分割でママチャリで日本一周を目指す。ほぼ一周を終えつつ、まだまだ走り続ける口実をつくるべく、寄り道企画(四国八十八ヶ所編)を2017年から開始。人に「場を与え、繋げ、拡げる」を基本軸に、法人複数社の経営と一般社団法人1団体の理事として活動中。
PAGE TOP