41人目 市村よしなりさん:株式会社コスモウェブ

会社名:株式会社コスモウェブ
URL:http://www.ichimura.me/
公開日:2010年07月10日


今回の旅は、株式会社コスモウェブの市村よしなりさんです!

まずは自己紹介とお仕事を教えてください。

インターネット広告からネットショッピングまで。
色々な事をやっています。
最近はネットショップが多いです。
たとえば、iPhoneのケースは結構売れています。
こういうケースを300種類くらい。

これはまったくのオリジナルになるんですか?

オリジナルもあります。
iPadも最近始めました。
あとはコンタクトの通販など色々なものをネットで販売しています。
収益は通販系が一番多く、SEO系の広告関連事業も行っています。
また、コーチングや趣味で本を書いたり、
iPhoneのアプリを作ったりもしています。
元々、プログラマーをやっていたので。
僕自身は基本人見知りなんです。
あまり人と交流するような仕事をしたくないんですね。

本にも書かれていましたよね。
スカイプを使って指示をされたりと。

自由に一人でも仕事ができるようにと考えていたんです。
僕の夢は海外を周ることなんですけど、
音楽もやっているので、
演奏しながら旅をしながら。
そういったスタイルの仕事を考えていくと、社員がいてはダメだと。

社員がいてはダメ?

ダメなんです。
社員をすべて在宅にしないとダメだということになって、
今は在宅ばっかりなんです。
なので、正社員はいないですね。
契約社員はいますけど。
ものすごく優秀な人には、
週に1回来てもらっている。
それ以外は家でやってくださいというスタンスです。
プログラムやデザインや企画。
最高、週に1回しか会わないやり方ですね。
当初、正社員が10人くらいいたこともあったんですけど、
それはもう止めて、
基本は在宅ができる人を募集しているんです。

大胆な発想転換にも思いますが。
考え方を切り替えたのはやはり自由に時間を作りたいからですか?

疲れてきたんですね。
知らない人と長いこと仕事で指示したりすると疲れちゃう。
僕はそう思うので、みなさん、会社に行かないほうがいいと思いますね(笑)
自分がしたい場所でしたい仕事をやれるように、
自分の会社はそういったスタイルをサポートする体制をとっています。

週に1回だけで意志の疎通はできるんですか?

意外とできます。
スカイプとリモートデスクトップとかを使うので。
会社のパソコンは勝手に動いています。
誰もいない日は会社のパソコンからプリンターがポンポンと動いて。
変なことが起きています(笑)
そう言いながら仕事人間なので、
仕事ばかりやるんですけど、
行こうと思えばハワイでずっとボーッとしながら仕事もできますよ。
って環境を作っているんです。
ビーチで仕事をしながらと思いながら、
まだやっていないんですけど。
貧乏症というか、できないですね。
できるような環境はあるんですけど。

ではインタビューテーマの29歳。
当時はどういった思いで何をやられていましたか?

大阪にいましたね。
ちょうど人をいっぱい雇ったんだけど、うまくいかなくなり、
在宅にしてもらって、小さくして、SOHOにした時ですね。
一回、人を集めて、またSOHOみたいにしたのが29歳くらいです。

人を増やして、
何か問題もいろいろ起きたんですか?

参謀みたい人がいたんですけど、
その人が辞めてしまって。
たぶん、自分で会社をやりたかったんだと思うけど。
そういうのだとうまくいかない。
僕は、ずっと長くやってほしいんですね。
そのためには、何が必要かというと、辞めない仕組み。
つまり、囲わないこと。
自由にすることだということになり、
その結果、完全な自由とは会社に来ないことだという結論になった。

本を読ませてもらったんですけど、
すごく大変な時期をすごされていますよね。
若い頃から、起業家になりたいという気持ちはあったのですか?

まったくないですね。
今でもないですが、
やりたいことをやりたいじゃないですか。
たまたま会社を自分でやっていたら、忙しくなってきただけ。
何かをしたい気持ちの人は別に会社を興さなくてもいいじゃないですか。
法人にしなくてもいいし、
法人にしたほうが自分のしたいことができるならしたほうがいい。
会社を創ったほうがいいなら創ればいいだけの話で、
とくに特別な気持ちとかは何もないですね。

昔からの夢や目標は?

特にないですよね。
サラリーマンになることですね。

サラリーマンになることが夢?

昔はね。
つまり、サラリーマンで、不安がないこと。
親父が借金をよく作っていたので、
不安がない状態。
つまりサラリーマンがいいと思ったんですね。

実は、今回、お会いする前からすごく共感していたんです。
『人生で大切なことはみんなRPGから教わった』
この著書のタイトルを見ただけでしびれましたね。
実は僕も10年くらい前、20歳の時から
「人生はドラクエ3だ!」
とずっと言っていたんです。
なぜかというと、
20歳になった時にすごく選択肢が増えたなと思ったんです。
ダーマ神殿で転職をできるのがレベル20なので(笑)
同じ発想をしている人がいた!と思って、
すごくうれしくて(笑)。
この本を出されたきっかけや動機は何かあったのですか?

本当は書くつもりはなかったですね。
本を出したいとは思っていたんですよ。
ただ、僕も自己啓発、
ビジネス書が好きなので今まで2000冊くらい読んだんです。
おもしろいのも多いし、難しいのも多いし。
でも、全部言っていることは同じなんですよ。
言っていることが同じだった難しく言うことはないだろう。
じゃあ、難しく言わない方法がないかな?
と考えたら、これ(『人生で大切なことはみんなRPGで教わった』)だったんですね。
たぶん、言っていることは他の本と同じなんですけど、
これの方がわかりやすいです。
ゲーマーでもなく、RPGがものすごく好きかというと、
好きだったけどそこまででもない。
ただ、表現しやすいから。
この本は日本の本の中でも一番わかりやすいと思いますね。
小学生から80歳まで読める。
80歳はRPGがわからないかもしれないですけど。

29歳の話からそれちゃいましたね。
失礼しました。
では、29歳から30歳に切り替わるお誕生日の思い出は何かありますか?

30歳になったら、おっさんになる気がしたけど、
意外と30歳を迎えてしまった感じでしたね。
誕生日会も何もやっていないです。
基本的に目立つのが嫌いだったので。
といいながら、一昨日パーティーをやったんですけど。
そこでもソワソワしながら、
なるべく目立たないようにやっていましたけどね(笑)

あまり好きじゃないんですか?

基本は好きじゃないですよね。
人が集まるのは好きなんですけど、
そっとしておいて欲しい。

30歳になった時、焦りや不安はなかったんですか?

不安はないけど、しっくりこないと思っていましたね。
「何で30歳なんだろう?」
「自分の中の30歳と違う」 と。

では30歳になっての意気込みみたいなものは?

なかったですね。
「やるぞ!」ってタイプではないですよ。
たぶん、昔ながらの起業家の人が苦手なんですよね。

オラオラ系な人ってことですか?

オラオラ系は100mくらい離れますね(笑)
どっちかというと、自分の中の起業家というのは、
自分の作品を見てください。
というイメージなので。
自分について来い!とは一切言いません。
だから、昔ながらの社長の感じで思われると全然違うと思いますね。

20代を振り返ってみてどういう10年間でしたか?

23歳で初めて会社を作ったんですけど、
お金がなかったから、
海外に行ってアメリカ法人を創ったんですよ。
アメリカに法人を創って、
「日本はちっぽけだな」
と思って価値観も変わり、
いろいろな仕事で海外に行って。
その時はまったく人と接せずにホームページの仕事をやっていました。
それでも、お客様はバンバン来ましたので、
「人と関わっていかなくても仕事はできるんだな」
ということがわかりましたね。

基本は人とあまり接しないで、
自分一人でできる世界を作っていくことが根本にあるんですね。

基本はそうでしょうね。

人と会うことで人生が開ける、
成功できると考える人が多いと思うんですね。
とはいえ、逆に、人と合わない、
会いたくない人も若い人には多い。
そういう人たちにすごく勇気を与えられますよね。

そういう本も出したいと思うんですよね。
自己啓発書をかなり読みましたけど、
メンターがどうとか言うのは嘘っぱちなんですよ。
メンターがどうかとあるのは、依存なんです。
「この人についていけば」
と言った時点で本当は違うんです。
自分のことを見つめているわけではなくて、
ただ依存しているだけなんですよ。
もちろん、いろんな人と出会わなくてはいけないですよ。
ネットの中でもそうだし、
自分のスタイルで自分が会うべき人と会っていかなくてはいけないと思う。
けど、ガムシャラに交流会に行くのはよくないでしょうね。
たとえば、アメーバピグでも何でもいいですけど、
ネット上のコミュニケーションが、
人間としてのコミュニケーションよりは落ちるとか。
色々と意見はあるんだけど、
それはそれでいいと思うんですよ。
ツイッタ―だけの世界でもいいし。
要はそこからでも読みとれますよということを言いたいんです。
「今の時代なら会わなくたっていいじゃない、会わなくたって会えるんだよ」
ということを言いたい。
いっぱい会わないほうがいいというわけではなくて、
いっぱい会うんだったら、
効率よく会ってもいいよね。という話かな。
あとは、
「自分らしく生きればいいという諦め」
をすることでしょうね。
自分らしさを求めて自分以上のものを求めているじゃないですか。
でも、「自分らしく生きればいいんだな」と諦めた段階で楽になる。
今まで誰かのゲームの中にいたんだけど、
ゲームの主人公は自分であり、
しかも、ゲームなんて自分で作れることがわかった段階で、
楽になっちゃうものですよね。
自分は人と違ってもまったくいいし。

ある種の吹っ切れですね。

その吹っ切れを本当に腑に落とせるかどうか。
僕は落とせなかったタイプだからこそ、言えるんですけど。

色々な経営者の方のインタビューにまわってましたが、
市村さんのように
「人に会わなくてもいい」
と、言われる方はすごく珍しいです。
別に会わなくても何とかなる。というのは新鮮な価値観でした。

「何で会わなくてはいけないのか?」
ということを考えたほうがいいですよね。
人は交流しないと自分がわからないので、
交流はいるんだけど、
同じ空間で会わないといけないのか?ということ。
スカイプでも同じくらいの話はできるだろうし、表情も見える。
今は関東だから僕と会えたけど、
もし僕がハワイにいたら、
電話かスカイプじゃないですか。
コミュニケーションは人と会うという風に敢えて言うのではなくて、
コミュニケーションは人とつながればいいじゃないかと。
ツイッタ―でもいいし、スカイプでもいいし、メールでもいいし。
人とコネクションがなくなるのはよくないので、
人とつながっていく。
ただ、面と向かって会わなくてもいい。という感じです。
やはり、人と会うのが億劫な人もいますからね。

40代、50代を含めて
これからの自分の夢やビジョンを教えてもらえますか?

75歳くらいで孫娘ができて、
ある日、自分に
「おじいちゃん、遊ぼうよ。公園に行こう!」
と言ってくる。でも、
「おじいちゃん、ちょっとライブがあるんだけど」
と言うんです。
そして、うちの孫娘の友達が
「おまえのおじいちゃん、カッコいいね!」
と言われるのが夢ですね。
そのためには仕事や自分のやりたいこともやって、
仕事だけじゃなくてプライベートや趣味を楽しみながら、
人生を最大限楽しめるようになっていきたい。

~~~同行サポーターからの質問ターイム~~~
外資系の生命保険会社で働いているんですけど、
より多くの人の役にどんどん立ちたいと思っています。
その中でも経営者の方々と。
とはいえ、営業として接すると、
心を開いてくれなかったり、
堅くなったりする方が多いです。
経営者である市村さんの立場として、
どういう人と付き合ってみたいと思うのでしょうか?

いいポイントですよね。
経営者は大体保険に入っている。
うちも外資系の保険に入っているし。
保険の営業をしている人に会うんだけど、
欲しいと思える人がほとんどいないんですよね。
だけど、貴重な情報発信を何年もやっていたら、
ある日、他の所を解約して移ってくれるかもしれない。
情報をバンバンあげないと情報をくれないです。
だから、情報をいかに無料であげるか。
これが大事なのかなと思いますね。

今日のように
浅井さんのインタビューの為に時間を作ろうと思われたのは
何か興味が湧いたんですか?

おもしろいことが好きなんです。
何だかおもしろそうと思ったのね。
これがまったくおもしろくなさそうだったら、
メールが返ってこないことになるんですけど(笑)
おもしろかったので、是非と。
今の時代、よっぽど有名な雑誌は別だとしても、
ちょっと安くたって広告営業で「どう?」と言われても載りたくもないし。
たぶん、そういうことですよ。

いろんな人たちが寄ってくると思うんですけど、
心を許せなかったりする中で
こういう風な存在があれば心を許せるな。とかありますか?

僕は心を許さないとずっと思っていたんですけど、
よく考えてみたら、
別に許さなくてもいいんじゃないかと。
みんなオープンマインドの人ばかりだったらおもしろくないし。
僕の勝手なイメージですが、
交流会に好んでくる人が3割としても
残り7割はそうじゃない人がいるわけ。
だったらそっちの人にターゲット絞った方が人数多いんじゃないかと。
会わないコミュニケーションを
いかに考えるかということを考えたほうがいい気がする。
市場に出てくるものは氷山の一角だと思いますね。
今までのビジネスは通販でも全国を含めると
20万人くらいのお客さんがいる。
20万人いても僕のお客さんとは一人も会ったことがない。
20万人もいる人たちに会ったこともないのに、
繋がっているわけだから、
別に面と向かって繋がる必要はないんじゃないのかな。

~~~同行サポーターからの質問タイム終了~~~
では、最後に29歳の自分に向けたメッセージを
是非、色紙にお願いします。

今日はどうもありがとうございました!