42人目 室住孝一さん:株式会社室住設計

室住孝一さん
会社名 株式会社室住設計
URL http://www.murozumisekkei.jp/
公開日 2010年07月14日

今回の旅は、株式会社室住設計:室住孝一さんです!

まずは自己紹介を含めてどんなお仕事をされているのか教えてください。

機械設備設計の会社をやっています。
本社は神戸で、東京、埼玉にも拠点があります。
最初始めたのは電気設計だけど、
名刺を渡すと
「設計をやっているなら、機械設計もできるんでしょう?」
と、毎回言われるので、機械設計もはじめました。
むやみに事業を拡大する気はないのですが、
建築設計なんかもやろうかと思っています。
メインは電気設計ですね。

具体的に電気設計とは、
どういったお仕事になるのでしょうか?

工場の中でコンベアが動いていたり、
物を掴んでいたり。
そういった機械の動きを設計しているんです。
基本的には頭だけで済んじゃうような職業。
物を用意する必要はないけど、
物を用意された時にそれをどう動かすか。
工場で動かす設備を作っている会社に取引させてもらって、
その設備をどう動かすか。
といったことを、やっていますね。

つまり脳みそを提供するってことですね。
全く未知の分野なんですけど、なんとなく理解できました。
ところで、現在、経営者となって何年目になるのでしょう?

2008年の7月に始めたのでちょうど2年位ですね。
現在32歳なので30歳位の頃からですね。

2008年の7月はちょうど景気の雲行きが怪しくなってきた頃ですよね?

そう。立ち上げた瞬間に不景気(笑)。
今回のテーマである、29歳といえば、2007年。
サラリーマンを辞めて、
今の会社を立ち上げるために勉強している時期ですね。
父が経営していた会社と取引のある会社が電気設計だったので、
そこで一から教えてくれということで入らせてもらった

お父さんの会社で手伝いをしながら。
29歳はそこの社員という形ですか?

違います。個人事業主で入らせてもらっていました。
一からお金を払って勉強しなくちゃいけないと思っていたのに、
ちょうど人が足りなかったので
「来ていいよ」
ということで。
お金をもらいながら、勉強できたのでラッキー!

ラッキーって(笑)
その頃には会社をやると決めていたんですね。
元々、そういった希望があったんですか?

父が同じような仕事をしていたけど潰してしまったから。
じゃあ、自分で立ち上げてやるかと。

では、親を喜ばそうという気持ちで?

そういうわけではなく、
自分でやりたかった。
卒業してからすぐになりたいとは思っていなかったので、
サラリーマンをして、
タイミングがよければ会社を立ち上げようと思っていましたね。

会社に入られて、
どういったことを勉強されていたんですか?

コンピュータで設計をする為につかう、
CAD(キャド)というツールが使えなかったから、
使う方法などを勉強した。
普通ならお金を払ってCADスクールにいかなければいけない。
それをお金をもらいながらできた。
本当にラッキー!

でた。またラッキー!(笑)
仕事というより学校に行っているようなものですね。

そんな感じでしたね。
電気に必要な穴を開けるとかの工事を含めて
どんな書き方かもわからない状況で。
全部教えてもらった。

では、29歳から30歳に切り替わるお誕生日
何か思い出はありますか?

不安だったのを覚えている。
ずっと勉強をさせてもらっている状況で
「いつ自分で立ち上げるのか?」
「もう30歳じゃん。」
「いつ立ち上げよう。」
といった気持ち。
早めに立ち上げたいと思いながら、
漠然と
「30歳か」
と思って不安だった。

誕生日をパーティーなどで祝ったりはなかったんですか?

何もない。淡々と人知れず過ぎていったよ(笑)

30代の目標を書き出してみたりは?

基本的には目標を書き出すことを人生でやったことがない。
性格上、書き出したノートがあったとしても、
多分3日後になくなっているから。

経営者になってからの目標や夢、
ビジョンをお聞きしたいのですが。

最終的に死ぬまでに
「室住ホールディングス」
を創りたいですね(笑)
もしくは死ぬ時に日本経済新聞の訃報欄に載る。

ホールディングスっていろんなことをやるわけじゃないですか。
何かいろんなやりたいことがあるんですか?

設計をメインにはやっていきたい。
だけど、やりたいことをポンポン思いついたり、
いろんな人と話して
「こんなことがビジネスになりそうだ」
ということをやってみたいですね。
ただ、それには本業をしっかりしなくちゃいけないので。
今は本業をしっかりやって、
それなりに手を出せそうな雰囲気になれば出したいなと。

徐々に基盤を作りながらですね。

大きい会社が異業種参入をやっていたりするじゃないですか。
本業が厳しくなってきたからと。
そういった意味で、
異業種に乗りこむようなことはやりたくないですね。

学生時代はやんちゃだったと聞きましたが、
どんな学生時代だったんですか? 

大学には行ってサークルに入っていました。
朝9時から夜11半くらいまでサークルの溜まり場にずっといた。
そして、気づいたら、大学には9年いましたから。。。
OBが研究室に来てみんなに命令をしている中、
私は「さん」づけされていました。
「室住さん、まだいたんですか?」
ってよく言われたよ。

相当な古株ですよね。
溜まり場ではなにを?

バイクのサークルだったんです。
溜まり場にいるといっても、朝9時に行って、
「走りに行こうか?」
と言われたら走りに行っていたし。
一番面白かったのが昼くらいにサークル仲間の4~5人と話していて、
「腹減ったね」
「何、食いたい?」
「寿司を食いたい」
「寿司か。どこの寿司がおいしい?」
「北海道の寿司がうまいんじゃないの?」
10分後には4~5人でバイクで北海道に向かっていましたね。
小樽まで行って、
2000円くらいの寿司を食って、
で、その日のうちに東京の方に戻る。
次の日の昼過ぎくらいには何事もなかったように
サークルの溜り場にいるわけ(笑)

日帰り!?泊まっていないんですか?

泊まっていない。
往復2万円ちょっとかかったかな。
食ったのは2000円。
割に合わないよね。
バカでしょう。
年間4万kmくらい走っていた。
2年で8万km。
大学3年くらいまでそんな感じでやっていて、
4年生くらいからレースを始めて。
気づいたら9年生でした。

そこからはレーサーとして明け暮れていたんですか?

レースのお金が必要だから、
平日にバイトして、
土日にレースに出て。
大学は行かなかった。
最終的に8年生の時に学費が払えなくなって。
払えないけど、後で払うから!
と大学に言っていたんですけど。
結局、1年間払えなくて、
単位が足りなくて、
中退かと思った時に大学側から
「学費払っていないんでしょ」
「じゃあ、1年間休学していたことにしてもう1年やれ」
と言われて結局、9年いたんです。

なるほど。休学扱いだったんですね。
大学って、8年生までのはずなのに、不思議だなぁ、
と、思っていたのですが、スッキリしました。

「この年に君はいなかったことにしよう」
そういう話で、まとまったんです(笑)

当時、レーサーを本気で目指していたんですか?

レースで飯が食えたらいいなと思ったけど、
センスがないことがわかった。
レースで食っていけるわけじゃないことがわかって、
あきらめがついて就職することにしたんです。

「室住ホールディングス」を創るという夢。
そのために取り組んでいることは?

ない。
本業をまずしっかりしなくちゃいけないから、
本業の売上をあげなきゃ。
自分はそれなりに技術者と思っているので、
何も技術のことがわからずに経営をしている経営者にはなりたくないと
ずっと思っているんだけど、
それでも、自分が理解できない、わからない案件もやってくる。
たとえば、基板設計とか。
社員にもできる人間はいない。でも、
「そういうのできませんか?」
と、打診をされた時に
「できません」
と言って、案件を逃したくない。
そうはいっても、
自分の所で機会の少ない基板設計者を雇うのも、
リスクが高いので、
基板設計をできる会社と仲よくしている。
いろんな会社と仲よくしているから、
自分の不得意な仕事が来ても紹介して仕事にはなる。
そんな話をある経営者の方に話した時に
「営業会社ですね」
と言われてしまって。
個人的な感覚としては単に設計という名前で来た仕事に関して
「できない」
と言って、ビジネスを潰したくない思いでやっていたんだけど。
「営業会社」に見られるのか。
そんなつもりはないのになぁ。という心境でしたね。
だけど、逃したくはないですよね。

こんな言い方は失礼かもしれないけど、
大学を9年間行っても経営者になれる。
すごく勇気を与えられると思うんです。
そこで何かヒントになるようなアドバイスなどあれば是非。

最初からあきらめてしまうようならやめたほうがいい。
この前、お会いした若い人で
「会社を立ち上げて5年存続し続ける会社がほとんどない。
90%くらいは5年以内に潰れる。
だから、俺もやっていいよね」と。
その人は5年経って潰れたら、
もう一回やればいいでしょう。
という感覚なのかもしれない。
けど、最初から潰れる9割に入ってもいいと思っているなら、
やらないほうがいい。
普通にサラリーマンをやっていたほうがいい。
潰れた9割も潰れていいやと思って潰した会社はそんなにないはず。
私はそう思いたいですし。

その会社にいる人がかわいそうですね。
そんな気持ちでやられちゃうと。

最初から潰れていいや。って、
5年後のビジョンが描けないならやめたほうがいい。
もちろん、ビジョンも短期、中期、長期があるんだろうけど。

では、一問一答形式で質問を。
憧れている経営者や尊敬している人、
ゲームや漫画のキャラクターでも何でもいいです。
憧れている人はいますか?

子供のころから憧れていて今でもなりたいと思っているのは
『シティーハンター』の冴羽(さえば・りょう)

あ。そこきましたか!?(笑)
ちょっとホワーッとしたキャラ。
エロいけど、やるときはやる。みたいな?

そう。その感覚。
普段はブラブラしているけど、
やるときはやるというのが、
子供の頃からの憧れかな。
子供の頃、『シティーハンター』を観ながら
「俺、どうやったらなれるんだ?」
と真剣に悩んで。
「コロンビアかどこかのゲリラ戦に行けばいいのか」
と考えていたくらい。
普段は変なことしかやっていないキャラじゃん。
自分にピッタリだな。
と思ったんですよね(笑)

参考にしている本などはありますか?

基本的には読まない。
たまに勧められて読むことがあるけど、
自己啓発、ベストセラーを含めて
「それを読んだ人間が全員実行できるのか?」
というのも多くて。。
バイブルと呼べるものは持っていない。
いろんなベストセラーが出ても、
似たようなことを言っているんだよね。
似たようなことを言っているものを毎回読むと時間がもったいない。
一冊読み込めば、言い方は違えど、
たぶん似たようなことを書いているしね。

~~~ここで、同行サポーターからの質問ターイム!~~~
僕、高卒なんですけど、
最近そのことを気にしています。
室住さんはそういった人間についてどう思いますか?

今は働いているんですか?

アルバイトですね。

高校を卒業してアルバイトをしてお金を貯めて、
いろんな国を周ったり、日本一周をしたり。
今、おいくつですか?

23歳です。

何を見たかですね。
別に偽善だとは思わないけど、
「世界の人々がみんな幸せになればいい」
と言うけど、
じゃあ、メキシコに行ってストリートチルドレンや
寝る所もないマンホールの下で寝ている人に向かって、
「夢に向かって進め!」
なんて言えるのか?って話なの。
たぶん、見た人間じゃないと言えなくて。
日本で普通に飯を食えて、
普通にサラリーマンをできて
金を稼げている人間がそれを言っても現実味がないんだよね。
生きているのに必死で寝る所もなくて下水道で寝ている人間に向かって
「夢に向かって進め!」なんて誰が言えるの。
それを言える人は、他人のことを考えない利己的な人間かもしれない。
それらを世界や日本一周で見てきて、
何に役立てるかだけの話ですね。
たぶん、人の見ていないものをいくらでも見ているはず。
そこから何を感じ、今後にどう活かすか。
日本で役立たない感覚もあるだろうけど、
日本に留まらないのであれば、
必要になってくる感覚がいくらでもあるだろうし。
漠然と楽しいから旅行をする、
ただの自分の楽しみだけで終わってしまうでしょう。
不安になる人はそうなんだと思う。
「世界一周やったよ、日本一周やったよ」
と言って、自分が楽しいからやった。
終わった後に何も残っていない。
たぶん、そういうことなんだと思う。
結局、どういう目的かわからないけど、
単純に旅行で行くならそれでいいけど、
それを自分のステータスにしたい。
人生に役立つ土台にしたい。
と思うなら、行った先で何を感じるかだと思う。
何を感じて、何を見出すか。
学歴だけの話を言うのであれば、無きゃ無いでいい。
でも、あったらあったで損はしない。
23歳だったら普通に大学に入学できるじゃん。
やろうと思えばいくらでも。
やればいい。自分が高卒で嫌ならやればいい。
ただ、やった後に何が残るのということ。
ご自身がやっているような世界中を周って何かを見るのと
大学を4年間通って得るものはどっちが大きいかと天秤にかけて、
大学がいい、大卒の資格を取るほうがいい。
と思うなら、大学に行けばいい。
23歳でしょう。今から卒業してもあまり変わらないよ。
俺が卒業した時と同じだよ(笑)

~~~サポーターからの質問タイム終了!~~~
では、最後に当時29歳の自分に向けたメッセージをお願いします。

すべては自分次第。
何を選ぶにしても自分が選んだ結果、
今の自分があるわけ。
幸せなことや不幸なこと、
今ここにいる環境も含めて自分次第。
今の環境、たとえば貧乏だっていいじゃない。
貧乏だっていいし、
金があってもいいけど、
貧乏で文句を言う時に
「誰々のせいでどうなった」
と言う奴はいっぱいいる。
貧乏なのは周りの環境のせいかもしれないけど、
自分のせいでもあるはずなんだよね。
今、起こっていることがすべて自分のせいだと思えれば、強くなれる。
その感覚を経営者の方はみんな持っているはず。
資金繰りに困ったとしても、
銀行のせいだと言っているのは潰れる会社だよね。
資金繰りがどうなろうと
用意しなくてはならない時には用意しなければならない。
潰れても潰れたのは自分のせいだと思える人たちはまた再起ができるはず。
すべては自分次第ってことです。
下を見ればいくらでも下はいる。
上を見ればいくらでも上はいる。
必要なのは自分が自分であるためにどうするかだけ。
下を見て「俺は大丈夫」と思うのもアリだと思うし、
上を見て「俺はダメだ」と思うのもアリだし。
それは人それぞれ。

今日はどうもありがとうございました!


ママチャリで日本一周している経営者
■Profile:
2007年から毎年分割でママチャリで日本一周を目指す。ほぼ一周を終えつつ、まだまだ走り続ける口実をつくるべく、寄り道企画(四国八十八ヶ所編)を2017年から開始。人に「場を与え、繋げ、拡げる」を基本軸に、法人複数社の経営と一般社団法人1団体の理事として活動中。
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