57人目 秋田稲美さん:株式会社エ・ム・ズ
会社名:株式会社エ・ム・ズ
URL:http://www.emuzu.info/
公開日:2010年10月11日
今回の旅は、株式会社エ・ム・ズ 秋田稲美さんです!
まずは会社の事業内容を教えてください。
今年で創業10年目になるんですけど、
何をしているのかというと、
幸せの追求をしているんです。
特に、女性の幸せについて。
小学校4年生の時から考えていました。
小学校4年生のときに
「女の幸せなんだと思う?」
って、母親に聞かれて。。
母は悩んでいたんです。その時。
だから小学4年生の私が母の相談相手になっていたんです。
そのとき、なんて答えられたんですか?
「わからない。」
って答えたかな。
そしたら、本を渡されたんです。
「モーパッサン『女の一生』」という本。
小学生で読む本じゃないですよね。
本を渡されてから、色々と考え始めて、
どうやら山口百恵ちゃんみたいのが、
女の幸せだと思っていたのね。
大好きな人の元に嫁ぐっていう人生が、女の幸せなんだ!
って、思って、百恵ちゃんをモデルに
自分もその道を歩んだりしたの。
でも、やってみたけど、幸せを感じられなくて。。
ちょうどその頃、TVで聖子ちゃんが、
「結婚しても働く」「子供を生んでも働く」
って、言っていたんです。
女の幸せって、そっちにあるんだ!
と思って、それをやってみた。
それでも幸せを感じられなかった。
うだうだ悩みながら、
今もそれを追求するのを事業にしています。
具体的にどのような事を?
まず、今会社の売上の約8割は企業研修なんです。
企業の中の女性社員の活躍をコンサルティングしたり、
男性社員が女性部下をどうやってマネジメントしたらいいかなど。
女性社員が、自分の将来設計をどう考えるか。
っていうのを描いてもらう。
それを会社としてやろうって思ったのはいつ頃だったのですか?
今から10年前。
最初は自分が幸せになりたくて、
女の幸せってなんだろう?
って、道を探求していたんです。
事業にしようと思ったのは、
たまたま周りの女性達と仕事をしはじめて、
女の幸せが10人いれば10通りあるから、
それを皆で模索している間に事業になっていったんです。
今後はどのようなビジョンを考えているのですか?
10年の時って、区切りですよね。
私、会社をはじめるときって、起業ブームだったんですよ。
ホリエモンとか、ITバブルって言われ。
起業したばっかりのときに、
何故か女性社長ってだけで、
マスコミに取り上げられたりしていたんですけど、
師匠から怒られたんです。
「お前は何もやっていないのに、人前で話すんじゃない!」って。
「10年続けるか、売上を10億にするか。
それをやり遂げてから人前で話せ」
って、怒られて。
そこで1つの目標として、10年っていうのができた。
凄く10年を大事にしていたんです。
それを今年迎えられたので、
ちょっと肩の荷が下りましたね。
そして、今年の前半6ヶ月間は、
次の10年をどうしようかな?
っていう、自分探しの旅をしていました
会社の会議にも一切参加しないで、
数字も見なくて、仕事をせず、
6ヶ月、遊ばせてもらった。
旅行にも行って、会社に出勤しなかったし。
社員、会社は大丈夫だったのですか?
大丈夫。副社長がやってくれた。
自分探しの半年間で、何か見つかりました?
丁度、去年の夏ぐらいから走ることが楽しくなって。
走るのって楽しいな!って、思い始めて、
楽しいな!って、思うと事業化したくなるんですね。
Runっていうテーマで仕事が出来たらいいな。
って、思いはじめましたね。
ママチャリで走っている自分としても
Runをテーマに仕事、事業化というのはとても共感します。
計画はどのように立てているのですか?
簡単な1年の計画を立てたんです。
前半の3ヶ月はまず業界を知ろうと。
次の3ヶ月間は自分が何が出来るかビジョンを立てよう。
次の3ヶ月間で基礎となる実績を作ろう。
最後の3ヶ月間で事業化しよう。
ざっくり3ヶ月ごとに計画を立てたんです。
丁度、今は真ん中の6ヶ月が終わったところ。
リサーチしてビジョンが出来るっていう時期なんだけど、
リサーチしている段階で、
こんなことをやったらいいかもしれない。
と思ったり、
そんなことは私がやるものじゃない。
と思ってポシャッたり。
2回くらい白紙に戻ったりしたのね。
すると、後に引けなくなっている自分がいて。
「これって本当に私のやるべきことなの?」
「どうしたらいいんだろう?」
って、思うようになってきたので、、
旅に出ることにしたんです。
桂浜に。
龍馬さんに会いにいこうと思って。
今、龍馬伝とかやってるし、降りてきているなって。
龍馬に会って、相談してみよう。と思ったんです。
桂浜、行った事あります?
ないんですよ。行きたいです
海を見ているとスピリチュアルなんですよね。
誰もいなくて、そこに1日いて。
「ねぇねぇ、龍馬さん、私こうこうこうで。」
って、ずっと話をしてたら、
「落ち着け」
って、言われたんです。
気持ちを落ち着けて、
「問題は何なんだ?」
て言われたんですよ。
「何が問題なんだろう?」
って、考えた時、
私がお手伝いをしているNPOがあるんだけど、
実は内情はお金がない。
きっと日本中のNPOの99%は
お金の話をしているんじゃないかな。
いいことやろうっていう人はいっぱいいるのに、
そこに協力しようって人が少ない。
「なんで日本はチャリティー文化が育っていないんだろう?」
それを問題に思っている。
って、龍馬さんに言ったんですよ。
そしたら
「それは右手の上に乗せなさい」
って、言われたんです。もう1個、私が今年すごく問題と思っている事があるんです。
それは若者の雇用問題。
教育の仕事をしているから、
毎年、新入社員研修をやっているんだけど、
今年はじめて、涙を流す新入社員研修だったのね。
新卒浪人が今年4万人。
4人に1人が学校卒業して就職できない。
研修にいた子達、平均で50社断られているんです。
50社ダメだしをくらって、
それで50社断られて1社でも決まればいいんだけど、
50社断られっぱなしの子達なの。
最初に、「おはようございます!」って言った後、
「皆辛いよね」って一言いったら、多くの子が泣く。
そういう新入社員研修。
これは酷い。
日本かなりやばいな。
っていう感じをすごく受けた。
それを龍馬さんに報告したら、
「左手の上に乗せなさい」って。
右手の上にNPO資金問題。
左手の上に若者の雇用の問題。
「それを解決することをすればいいんじゃないか?」
って言われたんです。
解決する事が見つかったんですね。
ただ、そう言われたときに、凄く腹が立ったんです。
「私やってるもの!」「やれることをやってる!」
そしたら龍馬さんに
「ちっちゃい」って言われたの。
「あなたがやれる事をやってるっていうのは、
本当にやれることでしょう?
でも、どれだけのNPOに資金が流れる仕組みを作ったのか、
どれだけの若者の育成をやったのか?」
要は、やれることをやってるのでは、
ちっちゃい。って、
言われたんですよ。
「仕組みを作らないと社会問題の解決にはならない。」って。
なるほど。そこから仕組みを考えたり、
思いついたりしたのですか?
「Run for peace」の仕組みがいいな。って、思いました。
つまり、イベントに向かって、走って駆けつけようっていう仕組み。
映画の上映会でもいいし、飲み会でも良いし。
人が集まる、日にちが決まっているイベントに
走って駆けつけようっていうのが「Run for peace」
そのイベントにはチャリティーが付いている。
イベントに参加すると参加費の一部はNPOに寄付される。
チャリティーつきのイベント。
それをうちみたいな小さな会社が色んな「Run for peace」イベントをやる。
そうすることによってイベントすればするほど、
チャリティー資金が集まるということが起こる。
さらに、日本全国の中小企業の社長さんたちが
「Run for peace」を取り入れたら、
地元の若い人材を巻き込んでイベントを作る事が出来る。
イベントのリーダーを若い地元のメンバーにやらせて、
会社のメンバーがサポートしてイベントを成功させていく。
成功させることによって、
社員教育にもなるんだよね。
社員がイベントを立案して実行して、
成功して皆に喜んでもらえるっていうのは、
1つの企画を勉強させるビジネスの要素がそこに含まれているじゃない?
それをどんどんやっていくというのは、
地域の若手人材の育成にもなるし、
社員育成にもなるし、地域活性もなる。
そういう社長達が日本全国に増えていくと元気になっていく。
何でそう思ったかっていうと、
私が涙ながらに研修をやった新卒浪人の学生達がいるんだけど、
「あなたは彼らを雇うか?」
って、聞かれたら雇わないんだよね。
なにか足りないんですよ。
何が足りないかっていったら、
イベントの企画力。
企画して実行して、成功させて収支を合わせて、
参加者に喜んでもらうって事が出来る学生は、
いくらでも内定が集まる。
学生時代にそういう経験をしたかしないかで、
その子の一生って凄く変わるんだな。って思うと、
「Run for peace」をやる社長が増えて、
地元の学生に華を持たせるじゃないけど
「これはお前が創るイベントだ!」
って、言って、それをサポートしてあげるようになれば、
学生も就職率絶対上がると思うのね。
そういうボランタリーチェーンを広げていきたい。
凄く共感します。
僕も同じような事をビジョンの一つとして考えていたので。
僕も色々とイベントを仕掛けるなかで、
若い人達にもどんどん任せていきたいなって思ってました。
社会で活躍している人に、
「学生時代に何かやったことある?」
て、聞くと、皆何だかんだやっているんだよね。
何かしらイベントを企画しているんですよ。
イベントって、
「企画力」
「計画力」
「人を巻き込む力」
「収支を合わせる力」
そして、
「集まってもらった人に喜んでもらう力」
全てのビジネスの要素が含まれているんですよね。
イベントに全てのビジネスの要素がある。
考えてみるとそうかもしれませんね。
企画だったり、人を巻き込んだり。
納得です。
例えば、甲子園に出たことがある。
って、話って、何十年がかりじゃないですか。
イベントって3ヶ月で1つのイベントができるんですよね。
全ての要素を味わって、
そういう学生を増やしていきたい。
面倒臭いところとか難しいところは大人がやってしまっても良くて、
「おまえらがやったんだよ」
っていう元気をつけさせてあげないと、
今の平成生まれの子達って、
生まれてからずっと平成不況で育ってきて、
やったー!できた!という成功体験を味わう機会がない。
それが4万人の就職浪人に繋がっているんじゃないかな。
すっかりインタビュー後半になってしまいましたが、
今回29歳を一つのテーマにしています。
その頃の思いなど何か覚えていますか?
その頃からずっと幸せを探していたかな。
ぐっすり寝て、モリモリ食べて、
運動する事が幸せだと思うのね。
幸せを感じる心、幸せは私の中にあるんですよ。
それを感じるかどうか。
私の平和は家族の平和になって、
家族の平和が職場の平和になって、
職場の平和が社会の平和になって、
社会の平和が世界の平和になる。
世界平和っていうけど、それは私の平和。
本当に大切なものが何かを知るって大事だと思うんですよ。
こころ、心を育てる事。
すごく共感します。
やっぱり感じるって大事ですよね。
ところで、Run for peaceという言葉。
この言葉は、元々ある言葉なんですか?
ないよね。
ガンジーがwalk for peace。
平和に向かう歩みって言っているんですね。
でも今のご時世、
歩んでいては遅い、走れ!ダッシュだ!
みたいなところかな。
この「Run」って走るって意味もあるんだけど、
人任せに、諦めたりしないで自分の足で平和に向かって
1歩踏み出そうっていうことを1人1人がしないと
世界平和の平和には繋がらない。
1人1人が1歩を踏み出そうっていう意味も込めてる。
Run for peac宣言は広めたくって、
毎朝1人1人が今日のRun for peace宣言で、
「今日、自分はこれやります」
って、毎朝、皆が宣言をすることが、
広がっていけばいいな。
あとやっぱり走る人を増やしたいっていうのがありますね。
では最後、皆さんに
29歳当時の自分に向けたメッセージを色紙に書いてもらってます。
ありがとうございました!