98人目 青木仁志さん:アチーブメント株式会社

青木仁志さん
会社名 アチーブメント株式会社
URL http://www.aokisatoshi.com/
公開日 2011年11月15日

今回の旅は、アチーブメント株式会社の青木仁志さんです!

まずは読者向けにお仕事のご紹介をお願いします。

人材教育コンサルティングの仕事をしています。
1987年10月12日に創業し、あっという間に24年を迎えました。
よく「2割の人で8割の成果」と言われますけど、
その2割の成果を出している人たちを対象にした人材教育の提供がメインです。
個人向けの講座では『頂点への道』という講座を一度も休むことなく
20年間連続開催をし、計534回を迎えました。
今回のご縁を繋いでくださったライズグループの黒沢社長(社長インタビュー09:参照)
もご受講いただいております。
これまでの受講生は23,800人を超えています。
日本で最も長く、一人の講師が連続開催している講座の一つだと思っています。
3日間の研修を皮切りに3年間で目標達成力を高めていく講座で、
売上2兆円企業の経営者から家庭の主婦まで幅広くご受講いただいております。
みなさん例外なく向上心のある成功願望の非常に強い方々ですね。
法人向けのサービスとしては、
さまざまな企業の社員研修と採用支援、
組織の企業文化をより達成型の文化に変える人事制度の構築などを行なっています。
「B to B」や「B to C」というくくりがありますが、
私は「B to F」という考えを持っているんです。
「B to F」とは「Business to Fan」
先日、「賢者の選択」というテレビ番組に出演した時に、
「87.5」という数字を出したんですよ。
「この数字は何ですか?」
と蟹瀬誠一さんに聞かれたのですが、
87.5という数字は新規のお客さまの紹介率なんですね。
満足したお客様は必ずよい協力者になってくださるという信念を持って経営をしてきて、
社員はそのファンとなるお客様のフォローを第一に考えて仕事をしてきました。
いずれにしても私は一人ひとりのお客様を生涯顧客、
わかりやすく言えば、ファンになっていただいて、
お客様と共によくなっていく「Win-Winリレーションシップ」で
今日まで24年間経営をしてきたわけです。
おかげさまで財務体質は自己資本率が70%近くあり、
この10年以上は無借金経営を続けています。
関連会社では子会社が3社あります。
アチーブメント出版株式会社という出版社と
飲食店を経営するアチーブメントダイニング株式会社、
旅行事業、イベント事業を行うアチーブメントプロデュースという会社です。
個人ではオーナーとしてクリニックの経営をしています。

24年前に会社を立ち上げたきっかけを教えてください。

実は非常に厳しい家庭環境の中で色々な経験をしてきました。
家庭環境も複雑で義理の母に育てられ、
小学校も4回程変わったんです。
早く社会に出たくて、10代で社会に出ました。
若くして起業の経験をしましたが、一度挫折もしました。
その後、142か国に支社のある国際的な教育企業「ブリタニカ」で
百科事典と英語の教材のセールスマンとしてキャリアを積みました。
トップセールスマン、そしてトップマネージャーになり、
29歳の時に国内のコンサルティング会社にヘッドハンティングされて転職し、
3年間で役員になりたいという目標を設定してそれを達成しました。
会社の売上を3年で7倍にして、一マネージャーから営業統括本部長、そして役員に。
そのキャリアを持って32歳で「アチーブメント株式会社」を創業しました。
自分のキャリアがそのままコンサルティングになっているんです。
独立したばかりの頃は、自分のキャリアを生かして、
営業教育のアチーブメントとしてスタートしました。
そして、創業20期目で売上が10億円、経常利益2億円、社員が50名という節目を迎え、
『起業家のための社長学』
という本を三部作、そして『戦略を超える理念経営』という本を出版し、
今後は起業家教育と中小企業経営者の教育に入っていくことにしました。
現在23,000名を超える学生が新卒採用にエントリーしてくれているのですが、
丸8年間、本気で採用に取り組んできました。
年間2000万円以上の採用コストをかけて、
約2億円の投資をして得た採用ノウハウを中小企業にコンサルティングしています。
アチーブメントという会社は自分たちのできていることを等身大で伝えているんです。
うちのコンサルタントには、
「できないことをオーバートークせずできることだけを伝える」
ということを徹底しています。
去年から法政大学大学院の客員教授にもなりまして、
「理念経営」を大学院でも教えています。
私の教えていることは、「理論経営学」ではなくて「実践経営学」です。
実践経営学とは実の理論です。
実の理論ということは、実際に体験したことしか伝えられないわけです。
頭で考えている経営と実際にやれる経営の違いがあります。
私たちはあくまでも実学をベースにした経営をすると同時に
等身大でコンサルティングをさせていただくということを心がけている会社です。

24年前に会社を立ち上げられた過程で、
挫折や辞めたいと思ったことはありましたか?

一度も辞めたいと思ったことはないですね。
頭をよぎったこともありません。
私は100%好きなことをしてきました。
もちろん、苦労はしてきました。
横綱・千代の富士の引退記念のプログラムを作り、
3000セット・1億5000万円の不良在庫を抱えてしまい、
倒産の危機になった経験とか。
それから人事面の悩みですね。
信頼していた人間の離職。
例えば、第二営業部の部長が辞めて、
ごそっと人が付いていったこともあります。
でもそれは全部、災い転じて福となりました。私は、
「あらゆる逆境には必ずそれと同等かそれ以上の幸福の種が隠されている」
という信念を持って経営をしています。
人生そのものも経営なんですね。
会社経営の前に個人としての人生経営がありますから、
個人的にルーズな人は会社もルーズで、
几帳面な人は会社も几帳面です。
私も若いときに挫折しそうになったり、
若くして独立して痛みを経験したのは、
その当時は意欲と能力のギャップがあったわけです。
意欲は高かったけど、能力は低かった。
特に人の力を借りられなかった。
驕り高ぶりで何でも自分でできると思っていたんですね。
当時はそれが最大の失敗の理由です。

このインタビューのテーマは「29歳」です。
コンサルティング会社に転職されたタイミングだと思うんですけど、
29歳はどのような1年間でしたか?

29歳は私の人生における最も大きなターニングポイントの1年ですね。
「ブリタニカ」という会社でトップマネージャーとして、
自分自身にも「負けないぞ!」って思っていました。
子供の頃、貧乏を経験し、早く社会に出たので学歴もなかった。
何も誇れるものがない自分でしたから、
遮二無二セールスで成り上がっていくわけです。
自己中心的な性格でお金を追う人生ですから、
本当に心が荒廃していましたね。
トロフィーはいっぱいもらいましたけど、
決して幸せではなかった。
ある時、私の恩師である夏目志郎先生に
「青木くん、今日おもしろい会合があるから行かないか?」
と誘われたんですね。
そして、連れていかれたのは武道館が会場である
キリスト教プロテスタントの牧師様のメッセージ。
当初は「俺はトップマネージャーなんだ!ひどい所に来ちゃったな」
みたいな気持ちでしたね。
しばらくすると、牧師様はこう言いました。
「疲れている人、重荷を負っている人、今すぐ降りてきなさい。
私が休ませてあげます。神様がおっしゃっております」
すると、みんなゾロゾロ降りちゃっているんですよ。
その光景を見ているうちに「俺も行こう」って。
当時はつっぱっていましたが、実は弱かったんですね。
つっぱり兄ちゃんみたいな所もあったので、
本当に人間的に至らなかった。
自分という人間の弱さを隠すためにセールスをしていました。
力だけが自分の主張だった私がいて、
武道館でメッセージを聞いて、
ひれ伏してお詫びをしました。
そこから本当に人生が変わりました。牧師様から
「何事でも人々からしてほしいと望む通りのことを
他の人々にもそのようにしなさい」
という黄金律を学びました。
神を愛し、自分を愛し、隣人を愛する生き方を貫きなさいと。
「神と人との前に聡明を得よ」という箴言があるんですけど、
それを自分の土台に置いて、
私なりに精一杯誠実にお客様の期待を絶対に裏切らないようにしてきました。
組織としては「上質の追求」という企業理念を創りました。
「わが社は選択理論を基にした、高品質の人財教育を通して、
顧客の成果の創造に貢献し、全社員の物心両面の幸福の追求と、
社会の平和と繁栄に寄与することを目的とします」
顧客の成果の創造に貢献するのが第一の目的です。
第二は全社員の物心両面の幸福の追求です。
どうしたら社員を豊かにできるか。
そして、第三は社会の平和と繁栄に寄与することです。
この3つをテーマに徹底的に追求し、
おかげさまですばらしい社員にも恵まれ、
安定した人生に入っています。
何といっても価値観の「あり方」が大切です。
決して「やり方」ではないんです。
私も若いときはやり方を追求していましたが、
29歳以降はあり方を追求しています。
私の言葉なんですが、それを「理と利の統合」と表現しています。
道という目的があって、結果としての経済がある。
決して経済が目的ではない。
そして、道と経済を一つにするんです。
医者は儲けることが目的ではなく、
患者を治すことが目的です。
結果的によい医者が繁栄するわけです。
絶対にクライアントファーストというポジションは、
譲ってはいけません。
コンサルティング会社も同じです。
どんな時でもクライアントファーストです。
それはこれからも変わりません。
私はそれを「顧客第一主義の盾」という風に言い続けています。

29歳の時にいろいろと悩む方も多いと思います。
30歳に向けて仕事や家庭をどのように歩めばいいのかって。
そういったことに悩んでいる方々に対して、
20代でやっておいたほうがいいものって何かありますか?

「三十にして立つ」という立身の前の年ですからね。
28歳の時に実は自分で名前を付けたんです。
それが「仁志」です。
今は戸籍上もその名前になっているんです。

改名されたんですね。

30歳の時に仁を志す人間になると。
仁というのは「医は仁術」と言われるくらい、
人のためにということですよね。
それを志す人生を生きると決めたんです。
私が若い人に勧めるのは
「戦略的に人生経営を考えたほうがいい」
ということ。
戦略的に人生経営を進めるということをずっと言い続けています。
それにはまず5つのステージに自分の人生を分ける必要があります。
第1ステージは「学習の段階」。
私の場合は17歳から27歳までです。
ステージの年齢は自分で決めていくんですけど、
私は17歳から27歳までを「学習の段階」と名付けました。
ともかく自分自身を職業人として遠くのピンを目指して走りまくった10年ですね。
東大の主席を目指すくらいの気合いを入れてセールスで10年走ったんです。
28歳から35歳までの第2ステージが「指導力開発の段階」です。
自分ができるようになっただけではダメなんですよ。
人を育てられる人間にならないといけません。
頭角を現す人は大体35歳くらいからグッと出てきますね。
第3ステージは36歳から45歳までです。
これを「挑戦の段階」と呼んでいます。
「学習の段階」と「指導力開発の段階」を経て、
初めて人は自分の器を大きく拡張させる10年を迎えます。
46歳から60歳が「富の形成の段階」。
これが第4ステージです。
企業人であれば自己実現の段階です。
本当の意味で「心技体」が円熟して最も力を発揮できる年代なんですね。
61歳以降は「社会還元の段階」です。
私はそのように人生設計をして生きてきました。
一番大事なことは戦略的に生きて、
「自分の強みを徹底的に伸ばすこと」
だと思います。だから、人と比べてはいけない。
自分の中にあるオンリーワンをいかにナンバーワンに育てていくか。
それが大事なことじゃないかなと思います。
自分が本当にしたいことをとことんやったらいいと思います。
20代はそれでいいと思います。
とことんやらないと適正が見えません。
現在、56歳を迎えて、
この計画通りに生きてきてよかったですね。
不思議なことに私の人生はシナリオ通りになっています。
事業というのはいくら自分が金儲けをしようと考えても
付加価値を提供できなければ、お金儲けはできないんですよ。
いかに人の望みを叶えるか、
いかに人にありがとうと言ってもらえるかが大事。
私も本を32冊書いて、
おかげさまで29冊目の『一生折れない自信のつくり方』は、
11万部を超えるベストセラーになっています。
本当につくづく思うのは
「ありがとう」
と言ってもらえる人間になることを目指すことが
大切なことではないかということです。
特に若いときには目先の損得に走ってしまう。
ブリタニカ時代は私もそうでした。
若い時は自分中心になってしまいがちなんだよね。
20代後半の人なら最後のラストチャンスじゃないですか。
「学習の段階」をまだ終えていない人は、
真剣に学習の段階を意識して学んだほうがいいと思います。
自分が「指導力開発の段階」に入っていると思える人は、
自分のレベルを上げ続けてほしいですね。
縦軸の成長と横軸の貢献があって、
右45度にサクセスがあります。
徹底的に自分を高めて、
「このレベルまで上げたら、これだけの人に貢献できる。
さらに上がると、これだけの人に貢献できる」
その率先垂範を大事にしたいですね。
ダメな会社はトップが怠けています。
人を働かせて金を儲けようという尊敬のない経営者の下には、
同じような人しか集りません。
社員の質を見ると、その会社の経営者の姿勢が見えます。
社員の質と経営者の質は、大体イコールです。
本当にそういうものなんですよ。
だから、私なんかごまかせませんよね。
社員を見たら私がわかるわけだから。
社員教育はものすごく大事にしています。

~~~同行サポーターからの質問ターイム~~~
今、自分は26歳です。
今後どういう人生設計をしていくかで非常に悩んでいます。
がむしゃらに働く方向性が見えない状態なんです。
6月までシステムエンジニアとして働いていたのですが、
今はカフェバーの仕事をしています。
ちょうど3か月経ち、店長になりました。
自分の中ではSEの仕事もやりたいし、
カフェの仕事もやりたい状態なんです。
でも、どちらかに力を入れるともう片方が弱ってしまうので
どう進んでいけばいいのか悩んでいます。

20代のうちは一つに絞っていったほうがいいのか、
それとも両方に均等に力を入れていったほうがいいのか…。
ぜひアドバイスをいただきたいです。

それはもうシンプルです。
2つのゲームを同時に達成することはできない。
それが答えですね。
絞る時に大事なことは「目的」から判断することです。
そして、3つの視点で考えます。
「長期的」「本質的」「客観的」の視点です。
「40歳の時にどちらの仕事をしていたいのか?」
「50歳の時にどちらの仕事をしていたいのか?」
「60歳の時にあなたはどんな仕事をしていたいのか?」
「あなたが60歳の時に社会はどうなっているのだろうか?」
「その時にどちらの仕事のほうが社会に役立つだろうか?」
「あなたが結婚し子供が生まれ、
これからいろんな意味で社会の中で活動していく時に
どっちの仕事をしていくほうがあなたにとって拡張性があるか?」
そういう風に考えていくと答えは出るんじゃないかな?
本当に自分が何をしたいのか?
それを知るために「セルフカウセリング」をしてください。
まず第1は願望の明確化です。
「私は何を求めているのか?」
「私にとって一番大切な物は何か?」
「私が本当に求めているものは?」
2番目は「そのために今何をしているのか?」。
3番目は「この行動は私が求める物を手に入れるのに効果的か、役に立つか?」。
4番目は「もっとよい方法があれば、改善し実行してみよう」。
自分が求めるものと社会にこういうものがあったらいいな、
というものが一致している事業が繁栄するんですよ。
SEの世界は技術の世界だから、
技術の世界は非常にシビアですよね。
あなたがどういう教育を受けてきたかわからないけれど、
一流の技術者じゃないと、まず生き残ることはできない。
SEを組織化するマネージメントならできるかもしれませんね。
26歳という年齢だからいろんな選択肢があるんだろうけど、
ちゃんと人生設計をしていくことです。
一番大事なのは「デザイン」です。
これまで27万人の研修をしてきましたが、
みんなね、わかっていない部分があるんですよ。
それは成功している人は例外なく、
人生をデザインしているんです。
これからの人生プランを描いて設計しているんです。
その設計が一番大切なんです。
例えば、家を建てる時でも
「時間がないから、とりあえず始めようよ」ではダメ。
きちんと「設計図」を描かなくてはいけません。
そして、「行程表」通りにやれば、
決めたことは成就するわけです。
だけど、多くの人は「とりあえず」なんですよ。
「努力よりも正しい選択を優先する」のが大切。
これが私からのアドバイスです。
専門家として本気でこの道を追求しているから、
こういうことを伝えられるんです。
これまで2000冊以上の本を読み、
20回以上アメリカへ研修に行き、
いろんな投資をしてきました。
私は「能力開発のプロフェッショナル」
「目標達成コンサルタント」として、
おかげさまで本当に豊かな人生に入りました。
うちの会社も社会のニーズを満たせるように
よりよい会社にしていきます。
今の助言を活かしていただければうれしく思います。

ありがとうございます!
~~~同行サポーターからの質問タイム終了~~~
では最後に、当時29歳のご自身に向けたメッセージを色紙にお願いできますでしょうか。

二十九才の君へ
ルールその一 いついかなる時も人生の目的から外れないこと
ルールその二 ルールその1を忘れない

本日はありがとうございました!


ママチャリで日本一周している経営者
■Profile:(2018年時点)
2007年から毎年分割でママチャリで日本一周を目指すこと11年目。ほぼ一周を終えつつ、まだまだ走り続ける口実をつくるべく、寄り道企画(四国八十八ヶ所編)を2017年から開始。人に「場を与え、繋げ、拡げる」を基本軸に、法人複数社の経営と一般社団法人1団体の理事として活動中。
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